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     【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.189


                       2024/3/16


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★日本企業の進むべき道



全世界のRPE読者の皆様、こんにちは!

北野です。



(@ある企業の紹介があります。
しかし、依頼を受けたわけでも、金銭的報酬を
得ているわけでもありません。案件ではありません。

@北野本のPRがあります。)



私は16年前の2008年、ダイヤモンド社から、


『隷属国家日本の岐路~今度は中国の天領になるのか?』


という本を出版しました。

ホントに、「ひと昔」ですね。

日本のGDPは、現在アメリカ、中国、ドイツに次いで
世界4位。

しかし、この本が出たときは、まだ世界2位だったのです。


この本は、いくつかの重要予測が的中したことで、
話題になりました。


・この本は、「アメリカ没落後日本は・・・」からはじま
るが、出版されたのは2008年9月4日で、リーマンショック
の11日前だった。

つまり、危機が起こる前から、「今回の危機でアメリカは
没落する」と予測し、実際にそうなった。


・日本に親中政権が誕生することを予測していた。

実際2009年に親中反米鳩山民主党政権が誕生しました。


・「尖閣問題」から日中関係が最悪になっていくことを予測。

日本に「親中政権ができる」という予測と矛盾して
いるように感じますが、実際そうなりました。

2010年尖閣中国漁船衝突事件

2012年尖閣国有化

で日中関係は、中華人民共和国建国以来最悪になったのです。



これら三つの重要予測は、いずれもそうなりました。

それはともかく、この本は、「予測本」ではなく、

「日本自立本」でした。


「日本が繁栄を取り戻す方法」を書いていたのです。

その方法とは、「中国との競争を止めること」です。

どういうことでしょうか?

2008年当時、日本には「世界の工場」のセルフイメージが
残っていました。

つまり、「薄利多売」のイメージです。

しかし、このモデルでは、人件費が日本比で
激安の中国に勝てません。


日本企業は、どうしたか?

結局大挙して中国に生産拠点を移したのです。

日本国の空洞化が進みました。

結果、中国は大いに栄え、日本国は衰退したのです。


私はこうなることを見越して、
「別の道を行くこと」を提案していました。

どんな道でしょうか?

世界人口は現在、約80億人だそうです。

そして、富は、めちゃくちゃ「偏って存在している」のです。

たとえば、国連加盟国は193か国です。

そのうち20か国がG20というグループを形成しています。

G20に参加している国は、
全国連加盟国の10%強にすぎません。

しかし、G20が世界GDPに占める割合は、
なんと90%なのです。

別の言葉でいえば、


残り90%の国が世界GDP に占める割合は、10%に過ぎない。


「ものすごい格差世界」であることがわかるでしょう。


私は、「格差社会を是正しましょう」という話を
しているわけではありません。

(もちろん是正したほうがいいですが。)

16年前に書いた「日本の進むべき道」について書いています。

事実として、


「10%の人が90%の富を独占している」

「90%の人が10%の富を奪い合っている」


こういう世界の中で、「元世界の工場日本」は、


「貧しい人むけの製品を、薄利多売で大量生産し、
大量に売っていく」


という方針でやってきました。

これは、松下幸之助さんの「水道哲学」です。


しかし、2008年頃になると、労働力が激安の中国に
役割を譲る段階だったのです。

では、日本はどうするのか?

私は、「世界に10%いる富裕層をターゲットに
商売をしていくべき」と主張しました。

イメージとしては、

時計のロレックス

自動車のポルシェ

ルイ・ヴィトン、ディオール、エルメス、シャネル、グッチ

などなど。

要するに、世界に8億人いる富裕層をターゲットに
ビジネスをすればいいと。


ところが、既述のように日本は
別の方向に進んでしまいました。

たくさんの企業が激安労働力を求めて中国に進出し、
結果として日本の暗黒時代が続いたのです。

もちろん、「暗黒時代」の根本原因は、
「タイミングの悪い増税が繰り返されたこと」ですが。


さて、私がいうような企業は存在しているのでしょうか?

一つご紹介します。



野原工芸



という会社です。

皆さん、ご存知ですか?

知っているのは、文房具マニアの方でしょう。


野原工芸さんは、木の文房具を作っているのです。


場所は、長野県木曽郡南木曽町。

言ってみれば「山の中」です。

@公式HPを見ると、いかに「山の中か」がわかります。

https://www.nohara.jp/


しかも、「いつでもお店にいける」わけではありません。

なんと、入店は「完全予約制」。

しかも「抽選制」なのです。

ちなみに現時点で6月まで「入店抽選」は終わっていて、
入店できる可能性は7月からになっています。


そして製品です。

たとえば野原工芸のシャープペンシルは、

もっとも安いもので、【 7700円 】です。

もっとも高いものは、【 19800円 】です。

皆さん、どうでしょう?

7700円のシャープペンシルを使ったことありますか?

私はありません。

しかし、以下のページをみてください。

https://store.nohara.jp/collections/mp1?page=2

すべて売り切りです。

アマゾンを見ると、野原工芸7700円のシャーペンが、
なんと

89200円(!)で転売されていました。


私は、どこで野原工芸の話を聞いたのでしょうか?

実を言うと、小学3年生の息子からです。

彼は、文房具にはまっていて、

シャーペンの最高峰「野原工芸」製が
ほしくてほしくてたまらない。

しかし、値段もそうですが、
そもそも物理的に買えないというのです。

どういうことでしょうか?

たとえば先のオンラインショップに
在庫がでたとしましょう。

息子曰く、【 秒で売り切れる 】 のだとか。



私自身は、野原工芸さんの7700円のシャーペンを
買おうとは思いません。

そもそもシャーペンを使わないからです。


しかし、7700円のシャーペンを


【 秒で売り切るブランド力 】


に感心したのです。

私は、


「これが日本の行く道だ!」


と、16年前のことを思い出しました。


「野原工芸」は、家族経営の小さな会社です。

それで、すべての業種の会社が「野原工芸」さんから
学べるとはいいません。

しかし、「ブランド力の作り方」など
参考になる部分は多いかと思います。

是非研究してみてください。


ちなみに、16年前の北野の自立本『隷属国家日本の岐路』
ですが、

「2020年度版」も出ています。

名前が変わって



◆『自立国家日本の創り方』

詳細は↓
https://amzn.to/3Vkcaao



もしよかったら、「日本自立の方法」を学んでみてください。



●PS (PR)

北野の新刊が出ています。

「悪いのはプーチンだ!」

「いや、悪いのはウクライナと、背後にいるアメリカだ!」

単純系の「善悪論」から脱却して、
【大戦略的見方】を体得したい人にお勧めです。

単純善悪論ではなく、

「その考え方で行って、日本は【勝利できますか】?」

と質問してみることをお勧めします。

すると、「敗戦時の日本とまったく同じ主張が
流行している」事実に気づくでしょう。


●黒化する世界~民主主義は生き残れるのか?

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●●●北野自身の解説動画も参考にしてください。

https://www.youtube.com/watch?v=ztbH6IP4uxM

●●●元陸将・渡部 悦和先生の書評はこちら。

https://rpejournal.com/review_watanabe_yoshikazu.html


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