無料メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」(RPEジャーナル)( http://www.mag2.com/m/0000012950.html )は2009年4月25日、創刊10周年を迎えた。
この日を記念して配信されたRPEジャーナルの中で北野は、メルマガ創刊の動機から現在にいたるまでの変化を語っている。 |
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◆RPE10年目の真実
全世界のRPE読者の皆さまこんにちは!
いつもありがとうございます。
北野です。
読者の皆さまが健康で幸せで豊かでありますように!
さて、本日は2009年4月25日。
ほとんどの皆さんにとって、まったく意味のない日でありましょう。
しかし、私・北野にとっては、少々「特別な日」なのであります。
何が特別なのでしょうか?
今からちょうど10年前、つまり1999年4月25日。
「ロシア政治経済ジャーナル」第1号を配信したからです。
RPE10周年。(^▽^)
そんなわけで、今回はこの10年を振り返り、今後の決意などを書いていこうと思います。
◆RPE創刊の動機
私は、自分でも思うのですが、相当テキトーでイイカゲンな人間です。
モスクワに来た動機だってそうでした。
「おいおい、ベルリンの壁が崩壊しちゃったよ。
ゴルビーすごい。
何が起こっているか見てみたい」
はっきりいえば、「野次馬根性」ですね。
で、来てみたら、翌年には「ソ連」という国自体が消滅しちゃった。
国が崩壊するというのは大変なことです。
メルマガ発行も当初は、「面白そうだから試しにやってみるか」という単純な動機でした。
メルマガは、外国在住日本人の間では、一足はやく流行になっていました。
なぜかというと、外国在住日本人は、「日本語の情報」に餓えている。
ですから、日本がらみの情報は、「貪欲」に追いかけるものなのです。
私も、友人にメルマガの存在を教えられ、片っ端から登録して読んでいました。
で、読んでいるうちに、「なんだか俺にもできそうだぞ・・・」と思いはじめたのです。
思い立ったら即行動。
私はコンピュータのこと全然わかりませんから、モスクワ大学経済学部の学生で、「日本から来た『神童』」と呼ばれていたI君に電話しました。
すると、翌日には「技術的には問題ないよ」と連絡が来たのです。
そんな単純なきっかけから、RPE・ロシア政治経済ジャーナルはスタートしました。
第1号は、よく覚えていないのですが、確か400部くらいだった。
ロシア人の友人に、「メルマガ出したよ。読者が400人集まった」と報告したのを覚えています。
すると、友人は「すごいじゃないか!」と祝福してくれました。
しかし私は、「見てなよ、4000人まで増やすから」というと、
「ハッハッハッ!」(^▽^)
と笑われました。
今の読者さんは19500人。
10年で約49倍増加した。
まぐまぐ30000誌の中で、だいたい140~150位くらいをウロウロしています。
とはいえ、中には「発行1年で10万部!」なんてメルマガもあります。
そう考えると、RPEの歩みは「カメさん」だったといえるでしょう。
(もしよかったら、お友達にもご紹介ください。RPEの読者数を 100万人(^▽^) まで増やそうと思っています。以下コピペして2人にお送りください。ありがとうございます。
○○ちゃん。わけのわからない世界情勢を世界一わかりやすく解説している完全無料メルマガです。名前は「ロシア」でも、中身は全然ロシアじゃないので、安心していますぐ登録してね!↓
( http://www.mag2.com/m/0000012950.html )
◆メルマガ有料化への誘惑
さて、「面白そう」という動機ではじめたメルマガ。
でも初めてみると、大変なことも多いわけですよ。
情報収集と運営に大金がかかる。
「メルマガなんて新聞記事貼り付けてるだけじゃん」なんて考えている人いませんか?
そんなもんじゃありません。
RPEの情報は、新聞より数年はやいのです。
たとえば2000年3月27日、プーチンさんが大統領選で初当選した翌日。
RPEは、ロシアの未来についてこう書いています。
↓
<長くなったのでまとめると。
○国内政治
1、プーチン政権は権威主義的超安定政権
2、新興財閥は政治的影響力を失う
3、チェチェン戦争は終わる(たとえ続いても下火に)
4、自由の制限、言論統制が強まる
○外交
1、これからのロシアは親中反米
2、CISと接近
3、日露関係はあまり変わらず
○経済
1、国家の経済への介入が強まる
2、外資は増える
3、国内産業も復活する >
(RPE2000年3月27日号「プーチンさんのロシア」)
今になってみれば、全部実現したことがわかります。
2000年当時、「プーチンのおかげでロシアは大復活する!」なんて書いた新聞はどこにもありませんでした。
他にもたとえば、イラク戦争の動機は「石油だった」とグリーンスパンさんがいっています。
↓
<「イラク開戦の動機は石油」=前FRB議長、回顧録で暴露
07年9月17日15時0分配信 時事通信
【ワシントン17日時事】18年間にわたって世界経済のかじ取りを担ったグリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長(81)が17日刊行の回顧録で、2003年春の米軍によるイラク開戦の動機は石油利権だったと暴露し、ブッシュ政権を慌てさせている。>
↑
RPEが「イラク戦争の動機は石油・その他だ!」と書いているのはなにもグリーンスパンさんがいったからじゃないのです。
彼が発言する5年前から、「アメリカの動機は石油(その他)だ」と書いています。
たとえば、イラク戦争前の02年10月28日号。
↓
<1、米国
米国はイラクを攻撃しようとしている。
ところが、フセインが「国連の査察」を認めたことで、攻撃の根拠が非常に薄弱になっている。
常識的に考えるなら「核兵器開発を認めた北朝鮮を攻めるべきではないか?」と思うだろう。
ところが、米国の狙いはイラクの石油だから、核兵器を開発していても、北朝鮮は後回しなのである。 >
もう一つ。
有名人で、「ドル基軸通貨体制の崩壊」を初めて公言したのはソロスさんでしょう。
08年1月のことでした。
<世界はドルの買い増しに消極的=ジョージ・ソロス氏
08年1月24日7時35分配信 ロイター
[ダボス(スイス) 23日 ロイター] 著名投資家のジョージ・ソロス氏は23日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、世界的にドル離れが進んでいるとの認識を示した。
同氏は「金融市場には保安官が必要だ。世界はドルを買い増すことに消極的だ」と発言。>
<「現在の危機は、ドルを国際通貨とする時代の終えんを意味する。 ワシントン・コンセンサスではなく、新しい保安官が必要だ」と述べた。>
これも皆さまご存じですが、RPEでは「ソロスがドル体制は終わったといったから」、「ドル体制は終わった」と書いているのではありません。
05年1月発売の
「ボロボロになった覇権国家」(→ http://tinyurl.com/dypky )
は1冊丸ごと、「ドル体制崩壊 → アメリカ没落」に関する本なのです。
なんの話でしたっけ?
ああ、そうそう。
メルマガというのは、新聞ペタペタはりつけていれば「できあがり!」というものではない。
情報収集と運営に大金がかかるのです。
で、私のモチベーションを一気に萎えさせるメールが、届くことがある。
どんなメールか。
たとえば・・・・。
「おい北野!広告うざったいぞ!本文だけにしろ!」
こういう人は、全ての活字メディアは、
・広告
・購読料
のどちらか、あるいは両方でなりたっているという世間の常識を知らないのでしょうか?
もし、「読者さんがうざったいから」という理由で広告をやめれば、私には三つの選択肢しか残りません。
1、メルマガを有料にする
2、大赤字を出しながら、慈善事業としてつづける
3、廃刊する
もちろん、大赤字を出しながらつづける気なんてありません。
というか、そんなことできる個人がこの世に存在するでしょうか?
廃刊するという選択肢も、できればしたくない。
じゃあ1の「有料にする」は?
正直いうと「有料にしませんか?」「儲かりますよ!」というお誘いはしょっちゅうあります。
収益シミレーションするとこんな感じです。
今19500人の読者さんがいるでしょう。
でも、真面目な読者さんは2割くらいといわれています。
いわゆる80対20の法則ですね。
3900人。
「月1000円」で有料化すると、
月1000円 X 3900人 =390万円 X 12か月 =年4680万円
「北野さんは本も3冊出しておられますし、もっといけるかもしれませんよ」とくるわけです。
「おい北野!広告うざいぞ。広告やめて本文だけにしろ!」
なんてメールをいただくと、
「無料で配信してこんなこといわれるなら、いっそ有料化しようか・・」
という誘惑にかられることもあるのです。
その方が、圧倒的に儲かるし楽です。
文句もいわれない。
とはいえ、有料化するという選択はできるだけしたくない。
なぜかというと、私がRPEを配信しているのは、「金にかえられない」「何か」があるからなのです。
(だから、広告がうざくてもがまんしてくださいね)(^▽^)
◆かわる動機
さて、私がRPEをスタートさせたのは、「面白そうだから」でした。
その後、「欲望」がムクムクと出てきたこともありました。
欲望というのは、要するに「メルマガをビジネスにつなげたい」と。
で、実際この10年間に
・企業向け情報誌「ロシア政治経済アナリス」
・HP「ロシア情報ステーション」の開設と運営
・IMTの設立
等々、いろいろなことをしました。
どれも評判は上々でした。
しかし、私の内面で何かが変化してきたのです。
こういうプロセスって、おそらく誰もが経験すると思うのですが。
たとえば、「あ~大金持ちになりてえ!そしたら豪邸に住んで、フェラーリ乗って、べっぴんな女の子と結婚して・・・」
なんて動機で起業する。
それがあるところまで行くと、「お金は大事じゃないんです」といいはじめる。
松下幸之助さんは、「商売の目的は、世界から貧困をなくすことだ」といいました。
金儲けの天才・神田昌典先生も最近は、「金・金」いわなくなりました。
私の内面の変化とはなんだったのか?
メルマガ配信の目的がかわってきたのです。
今までは、
・創刊時 → 面白そう
・その後 → ビジネスにつなげたい
今の目的は
1、日本国民に、世界で起こっていることの真実を伝えたい
2、日本が自立するのを支援したい
に変わった。
だから有料化したくないのです。
だって、有料化したら私は儲かっても読む人の数は激減するでしょう?
そしたら、「日本の自立をうながす」という役割がはたせなくなる。
◆世界の真実をあなただけに
1、日本国民に、世界で起こっていることの真実を伝えたいについて、「中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日」
(→ http://tinyurl.com/yro8r7 )のあとがきにこんな風に書いています。
【引用ここから▼】
<日本人は「平和ボケしている」といわれます。
そのとおりでしょう。
世界では第2次大戦後も、さまざまな紛争が起こってきました。
中国の内戦・朝鮮戦争・ベトナム戦争・第1次アフガン戦争・湾岸戦争・NATOによるユーゴ空爆・第2次アフガン戦争・イラク戦争・中東戦争など、例をあげればキリがありません。
そんな中で、日本は60年以上も平和を謳歌してきたのですから、恥ずべきことではなく、むしろ誇るべきです。
しかし、平和な時代は日本の国際感覚を、自国の利益のみ貪欲に追求する世界各国とかけ離れたものにしてしまいました。
日本は、「狼の群れの中にいる一匹の羊」になってしまったのです。
それでも、アメリカ幕府の覇権が強固な時代は問題ありませんでした。
天領日本は、幕府に貢物(資金)をさしだすかわりに、安全を保障してもらっていた。
しかし、時代は急速に変化しています。
中国・ロシアは現在、反米の国々をまとめあげ、着々と多極化を推進している。
彼らはアメリカのアキレス腱を知り、武力を使わず「ドル体制を崩壊させる」ことで、米一極支配体制を終わらせようとしています。
本書では、多極主義陣営がアメリカを追いつめている状況を詳述してきました。
アメリカ幕府弱体化の結果、日本は否応なく自立することを迫られます。
そうでなければ、「今度は中国幕府の天領」といった事態になりかねません。
日本国トップの国際感覚の欠如は、わが国を破滅にむかわせる危険性があります。
「幕府の支配は永遠」と信じる彼らは、「アメリカは現在イラク戦争で苦しいが、撤退すれば問題なくなる」と考えている。
皆さんは、その認識がいかに甘いかをご理解いただけたでしょう。>
【引用ここまで▲】
07年の夏に書いた文章ですが、今は「しっくりくる」のではないでしょうか?
◆日本に自立を
2、日本が自立するのを支援したい
については、「隷属国家日本の岐路」( http://tinyurl.com/6zcszc )
のまえがきにこう書いています。
【引用ここから▼】
<トップの依存心が国を滅ぼす
さて、アメリカが没落すると、どうなるのでしょうか?
世界経済が大混乱に陥ることはいうまでもありません。
安全保障面を見ると、「アメリカは自国で精一杯。日本を守る余力はない」となり、日米安保が解消にむかう可能性が高まります。
戦後から現在までアメリカに頼りっきりだった日本は、放り出されることになる。
「だったら自分の国は自分で守れるよう自立すればいい」
そのとおり。
しかし、そう簡単にいくのでしょうか?
「自立」の反対は「依存」です。
そして「今の日本は『自立国家』ですか?『依存国家』ですか?」ときかれれば、100人中100人が「依存国家です」と答えるでしょう。
そう、日本は「アメリカの『依存国家』」なのです。
ですから私は常々、「日本はアメリカ幕府の『天領』である」と書いています。
ところで、「自立」と「依存」はどう違うのでしょうか?
「7つの習慣」で知られるスティーブン・コヴィー博士は、「依存のパラダイムは『あなた』であり、自立のパラダイムは『私』である」としています。
依存している人は、自分で何も決めず「あなた」に決定権をゆだねている。
日本の「あなた」は、当然アメリカ。
アメリカが「○○の輸出を自主規制しろ!」といえば、規制する。
アメリカが「○○銀行を10億円で売れ!」といえば、「ハイそうですか」と売る。
アメリカが、「○兆円するMDシステムを導入しろ!」といえば、実際に役立つかどうかはさておき、導入を決める。
一方、自立した人のパラダイムは「私」。
私自身が決定を下す。
アメリカ・西欧諸国・中国・ロシア・インド等々は、自国の未来を左右する決定は自分たちで決める「自立国家」といえるでしょう。
日本にも何人か、「自立」を目指した首相がいました。(例、田中・細川・橋本等々)
しかし「自立」を目指した総理大臣は、スキャンダルが暴露されたり、短命政権だったりします。
一方、アメリカに追随する内閣は長期政権になる場合が多い。(例、中曽根・小泉内閣等)
「自立」「依存」というのは、金銭面や安全面でも使われますが、本質は「内面」の問題。
「自立心」「依存心」といいます。
今の日本のトップは、ほとんどが「依存心の塊」でしょう。
もしアメリカが没落したとき、日本のトップが自分で何も決定できない「依存首相」だったらどうなるでしょうか?
「次の依存先」を求めることになるでしょう。
「依存が癖になっている私は、何も決められません。『あなた』が全部決めてください」
では、アメリカにかわる次の依存先はどの国か?
これは「中国」になるでしょう。
唐突な結論に思えるかもしれません。
しかし、以下二つの記事を読めば、意見が変わると思います。
<中国、名目GDP世界2位へ 今年にも日独逆転 「元高」が押し上げ
08年4月9日8時27分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
中国が名目GDP(国内総生産)で早ければ今年にも日本を追い抜き、米国に次ぐ世界2位の規模に躍り出る可能性が出てきた。
日本を上回る経済成長スピードに加え、対ドルで人民元為替レートが上昇ピッチを速めていることが、ドルベースのGDP値を押し上げているためだ。
日本の“指定席”だったアジア首位の座を奪って、米国と比肩する経済大国と位置づけられる中国。
国際社会の影響力も一段と強まり、アジア経済の勢力図も大きく塗り
変わることになりそうだ。(坂本一之)>
どうですか。
日本は「GDP世界2位」というのが、バブル崩壊後も唯一の自慢でした。
しかし、まもなく中国に抜かれることが確実なのです。
<中国の軍事費、実際は公表額の3倍?米国防総省が発表
08年3月4日19時5分配信 産経新聞
【ワシントン=古森義久】米国防総省は3日、2008年度の「中国の軍事力」報告書を発表した。
同報告書は中国が不透明な体制で軍事力を大幅に増強し、台湾制圧の能力を短・中距離ミサイルの1000基以上の配備で高めるほか、海軍力の強化で尖閣諸島の領有や東シナ海の権益をめぐる紛争への対処能力を高めている実態を伝えている。
中国は米国本土に届く長距離核ミサイルの強化や航空母艦の開発にも着手しているという。
毎年、米国議会に提出される同報告書は、中国が近年、一貫して軍事力の大幅な増強を進め、2007年の公表国防費は前年より19・47%増の約500億ドルだが、実際の軍事費は年間1400億ドルにも達すると述べた。>
どうですか。
これは、日本の防衛予算の約3倍。
国力を測るのは残念ながら「品格」ではありません。
「金力」(経済力)と「腕力」(軍事力)。
この観点から見ると、中国は次期覇権国家候補NO1である。
そして、日本のリーダーが依存先を選ぶとすれば、ほぼ間違いなくこの国であるという結論になります。
「お父さんの時代、日本はアメリカ幕府の天領だった。僕の時代、日本は共産党の一党独裁国家中国の天領です・・・」
「僕が生まれたのは中華人民共和国・小日本省です・・・」
私たちの生活にかかわる決定はこれまで、ワシントンで決められていた。
それが将来は、北京で決められることになる。
そういえば、アメリカ経済がボロボロであることが表面化した07年から、日中関係は、中国にお得な形で良好になっていますが・・・。
日本のリーダーたちは既に、無意識のうちに「次の依存先」を探しているのではないでしょうか?
「日本は将来、中国に併合されるのではないか?」
日本には現在、二つの道があります。
「真の自立国家になるか」それとも「中国の天領になるか」。
私は日本人として、祖国が共産独裁国家の属国になることを認めることはできません。
しかし、今の日本のリーダー層の行動を見ていると不安にならざるをえない。
なんとかしなければ・・・。
そこで、日本が自立するための本を書くことにしたのです。>
【引用ここまで▲】
一番最後の行、「そこで、日本が自立するための“メルマガ”を書くことにしたのです」とかえてください。
でも、まだこれで終わりじゃないですよ。
◆日本自立の先に・・・
私の誇大妄想的なビジョンは、「日本に自立を!」だけでは終わりません。
日本が自立して、ルンルン気分で暮らせればそれでいいのか?
いや、そうではないでしょう。
意識が広がった日本国民は、飢餓の危機に直面している人が世界に8億人いる現実を受容できないはずなのです。
日本自立後の夢について、「隷属国家日本の岐路」のあとがきに書きました。
【引用ここから▼】
私には夢がある
アメリカの衰退がハッキリし、中国・ロシア・インドなどの動きが活発化してきました。
どの国も、「新体制内でいい位置につけよう」「お得なポジションをゲットしよう」と躍起になっています。
そんな中で、まったく何のアクションも起こしていないのが、わが国日本。
しかし、私は普通の評論家のように、「だから日本はダメなんだ」とか「もっとアメリカを見習って」とはいいません。
逆に、「日本は日本でいいじゃないか」「競争はもういいじゃないか」と思います。
今回本を書いたのは、「日本は世界1すばらしい国。しかし、あまりにもお人よしなので、将来中国に併合されるのではないか」と不安を感じたからでした。
しかし、この本の方向性で改革が実行されれば、日本は世界1幸せな国になれるでしょう。
私には夢があります。
夢といっても、個人では到底かなえられそうもないので、「願望」と呼んだほうがいいかもしれません。
まず、日本がしっかりした「自立国家」になったと仮定しましょう。
債務は完済され、財政は毎年黒字になっていった。
要は、今の産油国のように、金があまるようになった。
それをどう使うか?
世界には現在、飢餓の危機に直面している人が8億人以上いるそうです。
そして、飢餓問題を克服するのに必要な資金は年間3兆円だとか。
3兆円・・・。
これはどうなんでしょう。
世界1の大富豪ウォーレン・バフェットさんの個人資産は6兆円以上。
8億人を救うのに必要な金はその半分。
ちなみに日本の防衛費は、GDPの約1%にあたる年間5兆円程度。
アメリカの国防予算は、年間50兆円以上。
これは8億人を救うのに必要なお金の16倍以上です。
私の願いはこうです。
正しい改革により、日本の歳入は100兆円まで増えました。
しかし、歳出は90兆円にとどまっています。
政府は国民のコンセンサスを取り、黒字分を世界の「飢餓問題克服」と「農業発展支援」に使うことにしました。
具体的に、年間3兆円を使い、世界から餓死者をなくす。
しかし、それだといつまでも自立できないので、飢餓の存在する国々の農業発展に年間2兆円を投入する。
日本は、支援するにあたって一つだけ条件を出します。
「戦争・内戦中の国は一銭も支援しません。戦争・内戦をやめれば支援します」
すると、戦争をしていた貧しい国々も、「殺し合いをつづけるより、平和に暮らし日本から支援をゲットしたほうがいい」となり、世界から紛争はなくなっていきました。
2050年、世界から飢餓と戦争はなくなりました。
人類は、地球と調和して暮らしています。
【引用ここまで▲】
「・・・・・・・・・無理だ!」
「北野は誇大妄想だ!」
まったくそのとおりです。
私は誇大妄想狂かもしれません。
しかし・・・
私たちの先祖はかつて、「世界から人種差別をなくしたい」と夢みました。
1919年2月13日、第1次世界大戦の戦後処理を行うために開かれたパリ講和会議で、日本は
「白人が世界を植民地化し、現地人を奴隷化している。こんな状況はおかしい」
とし、
「人種あるいは国籍如何(いかん)により法律上あるいは事実上何ら差別を設けざることを約す 」
という
「人種差別撤廃条項」
を盛り込むよう要求しました。
もちろん、欧米に握りつぶされましたが。。。
ところがどうです?
今は人種差別の総本山アメリカで、奴隷の子孫が大統領になっているじゃないですか?
オバマさんが大統領になれたのは、元をただせば、われわれのご先祖さまが「人種差別のない世界を夢見た」おかげなのです。
そんなわけで、私はささやかなメルマガを出しながら夢みています。
貧困と戦争のない世界を
そして、
人類と自然が調和している地球を
皆さまのおかげで10年つづけることができました。
これからもよろしくお願いいたします。(おわり)
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