【裏】RPEJournal=======================================
【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.92
2021/5/29
=======================================================
★アメリカに狙われてもサバイバルしている【独裁者】
全世界の裏RPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
私たちは、「アメリカは最強だ」と考えています。
実際、GDPも軍事費も世界一ですから、「そのとおり」
でしょう。
そんなアメリカに「目をつけられたら」?
「終わりだ」という感じがします。
(たとえば、イラクのフセイン、リビアのカダフィなどが
すぐ思い浮かびます。)
ですが、アメリカに目をつけられた独裁者が
生き残ることもあります。
たとえば、キューバのフィデル・カストロ。
彼は1959年の「キューバ革命」で実権を握った。
アメリカのすぐそばに「共産政権」ができた。
もちろん、カストロは、アメリカに嫌われていました。
しかし、彼は1959年から2011年まで、
実に52年間もこの国の支配者だったのです。
2011年に引退。
2016年、90歳で亡くなりました。
その他にも、たとえば北朝鮮の金王朝。
金日成、金正日、金正恩。
もう3代もつづいています。
その他、ベラルーシのルカシェンコをあげてもいいでしょう。
彼は、1994年から現在まで、なんと27年間
ベラルーシの大統領をしています。
1994年というと、スマホどころか
携帯電話もあまり普及していなかった時代。
ものすごいことです。
もう一人、シリアのアサドもそうでしょう。
▼アサド4選
5月28日TBS NEWSから
<10年前に始まった内戦が終結していないシリアで大統
領選挙がおこなわれ、現職のアサド大統領の4選が発表さ
れました。
シリア人民議会の議長は27日、前日に投開票が行われた
大統領選挙で、現職のバシャール・アル・アサド大統領が
95.1%の得票率で勝利したと発表しました。
欧米や国連は「自由で公正な選挙ではない」と批判してい
ます。>
「バシャール・アサド」、久しぶりに聞く名前です。
シリアは、父親の代から、実に50年間アサド家が支配して
います。
<アサド大統領は30年間権力の座にあった父、ハーフェ
ズ・アル・アサド元大統領の後を継ぐ形で2000年から
20年以上にわたって大統領を務めていて、これで4期目
に入ることになります。>(同上)
2000年というと、プーチンが大統領になった年ですね。
アサドは、どんな人生だったのでしょうか?
2010年から2011年にかけて、中東、北アフリカで
「アラブの春」という「民主化運動」が流行りました。
結果、チュニジア、エジプト、イエメン、リビアなどで
政権が打倒された。
シリアでは2011年、「アサド派」と「反アサド派」に
わかれて内戦が勃発。
10年経った今も、つづいています。
この内戦には、大国が絡み、
非常に大規模なものになってしまいました。
「大国」とは?
まず、ロシア、イランが、アサド現政権を支援。
欧米は、「反アサド派」を支援した。
そして、欧米が支援する「反アサド派」から分かれて
でてきたのが「イスラム国」(IS)でした。
ISは、2014年〜2015年にかけて、シリアとイラクに
またがる広大な地域を支配下においた。
しかし、「反アサド」の欧米も、「親アサド」のロシアも、
「反IS」ということで一体化していました。
特にロシア軍は、ISが制圧した石油インフラを容赦なく
空爆し、ISの資金を枯渇させることに成功しました。
(欧米の空爆は、ISも「反アサド」という理由で、
気合いが入っていなかった。)
そんなわけで、ISはすでに壊滅状態にあります。
シリアは、現状どうなっているのでしょうか?
<2011年に始まった内戦でアサド政権側はロシアやイ
ランの支援を得て、事実上勝利をおさめていますが、現在
も北西部イドリブ県はイスラム過激派勢力を中心とする反
政府派が支配、北部の国境地帯はトルコの影響下にある勢
力、北東部はクルド人勢力が支配している状態です。>
(同上)
現状、アサドはシリアの3分の2程度を支配しています。
彼は、なぜアメリカに狙われてもサバイバルできたのか?
理由は、二つあります。
一つは、既述のように
ロシアとイランがアサドを支援していること。
アサドはロシアにとって、「中東の同盟者」です。
シリアには、ロシア軍の海軍基地(タルトゥース)と空軍
基地(フメイミム)がある。
では、イランは、なぜアサドを支援するのでしょうか?
アサドは、イスラム教アラウィ—派を信仰しています。
これは、シーア派の一派。
シーア派のボス・イランは、スンニ派のボス・サウジアラ
ビアと対立しています。
イランにとってアサドは、やはり「同盟者」なのです。
アサドがサバイバルできたもう一つの理由は、
「アメリカが中東に関心を失ったこと」
こと。
アメリカは、ブッシュ(子)時代まで、
中東を「アメリカの生命線」と考えてきました。
最大の理由は、「石油」です。
しかし、オバマさんの時代になると、「シェール革命」が進展。
アメリカ自身が、世界最大の産油国、産ガス国になった。
それで、「中東は、もはやあまり重要ではない」となった。
そのため、アメリカのシリア介入も本気ではなく、
あきらめも早かったのです。
アサドは、
・ロシアとイランの支援
・アメリカが本気でなかった
という二つの理由で救われた。
彼の今後の人生は、シリアの未来は、
どうなっていくのでしょうか?
これからも注目していきましょう。
●重要PS
この記事が面白かった方は、裏RPEにご登録ください。
完全無料です。↓
https://rpejournal.biz/p/r/LcJ9oxS8
人によっては、
「これは危険サイトです!」と出るケースがあるようです。
その場合は、無理に登録せず、私の方にご連絡ください。
メルアドは、tjkitanojp●yahoo.co.jp です。
(●の部分に @ を入れてください。)
=======================================================
○メールマガジン「【裏】ロシア政治経済ジャーナル」
発行者 北野 幸伯
Copyright (C)RPE JournalAll Rights Reserved. 358
======================================================
○メールマガジン「【裏】ロシア政治経済ジャーナル」
発行者 北野 幸伯
Copyright (C)RPE JournalAll Rights Reserved. 358
====================================================== |