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     【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.85


                      2021/4/20


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★ドイツは、米中覇権戦争でどっちにつく???



全世界の裏RPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。



世界は、2018年10月から「米中覇権戦争」を軸にまわって
います。

皆さんもうお気づきと思いますが、この「軸」は、
バイデン政権になってもかわっていません。


ところで、米中覇権戦争は、どっちが勝つのでしょうか?

これは、「他の大国の動向」で決まります。

「他の大国」とは?


日本、欧州、インド、ロシアです。


この4勢力を多く味方につけた方が勝ちます。


現状、日本は、米中間をフラフラしながらも、アメリカ側
にいるようです。


インドは、中立を保とうとしていた。

ところが昨年5月、インドと中国の軍事衝突が起こり、
インド兵20人が亡くなった。

これで、インドは、アメリカ側になりました。


ロシアは、現状はっきりと中国側にいます。


欧州は?

欧州は2015年頃、はっきり中国についていました。

その証拠は、「AIIB事件」です。

2015年3月、イギリスは、アメリカの制止を無視して、
中国主導の国際金融機関「AIIB」への参加を決めました。

そして、ドイツ、フランス、イタリア、スイス、
イスラエル、オーストラリア、韓国など、

いわゆる「親米諸国群」が後につづいたのです。


アメリカが「AIIBに入るな!」という。

中国が「AIIBに入れ!」という。


欧州の国々は、はっきりと中国の側につきました。

これが、2015年の状況です。


2017年、トランプさんが大統領になりました。

トランプさんは、欧州の国々の首脳と会うたび、
「軍事費をもっと増やせ!」と要求しつづけた。

それで、欧州の首脳たちは、概してトランプが嫌いだった。

トランプ時代、アメリカと欧州の関係は、最悪でした。


ですが、トランプとは関係なく、欧州と中国の関係も悪化
していきました。

香港の旧宗主国イギリスは、中国が「返還後50年間
一国二制度を維持する」という約束を破ったことに激怒した。

フランスやドイツは、中国が100万人のウイグル人を強制
収容し、ウイグル女性に不妊手術を強制していること

事実上の「民族絶滅政策」をしていることを
無視できなくなった。

それで、バイデン政権誕生後は、アメリカとの関係を修復し、
共に中国と戦う姿勢を見せるようになってきました。



▼ドイツは、アメリカにつく



琉球新報4月17日 佐藤優さんの「ウチナー評論」に興味
深い情報が載っていました。



<ドイツの対アジア外交が質的に変化し始めている。

ドイツは、ヨーロッパのみならずアジアにおいても
プレイヤーの地位を獲得すべく腐心している。


13日、日独間で初めての外務・防衛担当閣僚協議
(2プラス2)がオンラインで行われた。


<中国による香港や新彊ウイグル白治区の
人権状況について「深刻な懸念」を共有。

日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋」の
構想実現に向けた連携も確認した。>>



<米国の対中国封じ込め政策に協力するという形で、
ドイツはインド洋とアジアに本格的に進出しようとしている。

そのためには中国との経済関係が停滞しても構わないと
ドイツは腹を括ったようだ。

マース外相は前掲論文でこう強調する。


<最近では、中国新彊ウイグル自治区での人権侵害の責任
者らに対する制裁を行いました。(中略) これらに伴い
コストが発生することは当然わかっています>(同上)



「経済関係が停滞しても構わないとドイツは腹を括った」

(中国への制裁は)「コストが発生することは
当然わかっています」


だそうです。

ここは、日本と違いますね。

日本政府は、いまだに「チャイナマネー」が欲しくてたまない。

それで、アメリカ、イギリス、EU、カナダの「対中制裁」
に加わらなかったのです。


ユニクロの柳井さんは、「ウイグル問題は、人権問題では
なく政治問題だ」と宣言しました。


「100万人強制収容」

「ウイグル人女性に不妊手術を強制」

「親子を引き離し、子供にはウイグル語、イスラム教を禁止する」


これは、政治問題でしょうか、人権問題でしょうか???




▼ドイツがアメリカについたことは、「決定的ファクター」



皆さん、ドイツというと、どんなイメージですか?


「すごい大国」という印象はないでしょう。

その認識はあまいかもしれません。

ドイツは、EU27か国で最強の国です。

ドイツ一国だとGDP世界4位ですが、
EU=一つの国とみた場合、

GDP世界2位になります。


それで、フランス人人口学者で「予言者」とよばれる
エマニュエル・ドットさんは、

「EU=ドイツ帝国だ」と表現している。


ドイツ = EUが、米中覇権戦争でアメリカ側につくことは、

「決定的ファクター」といえます。


もちろん、アメリカが勝ち、
中国が負ける「決定的ファクター」です。


日本の政治家さんも、こうした大局を理解し、

もっとはっきりアメリカ側につくべきです。

手始めに、アメリカ、イギリス、EU、カナダを見習って、

ウイグル問題で中国に制裁を科すべきでしょう。


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