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【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.410
2025/5/11
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★ウクライナ停戦、【「トランプ流」ではムリ!】と欧米が理解しはじめた。で?
全世界の裏RPE読者の皆様、こんにちは!
北野です。
トランプさんは、「24時間でウクライナ戦争を終わらせることができる!」
と豪語していました。
そんなトランプさんが大統領になって、もうすぐ4カ月になろうとしています。
1日どころか、100日経っても、
ウクライナ戦争を終わらせることができませんでした。
なぜ?
「トランプ流ウクライナ停戦計画」とは何だったのでしょうか?
そう、「プーチンの要求を丸のみすること」です。
トランプは、「ディールがうまい」といわれます。
しかし、プーチンに対しては、まったく何のディールもしていません。
トランプは、プーチンの要求を丸のみし、
それをゼレンスキーに押しつけて、「停戦合意」にもっていこうとしたのです。
具体的には、
・プーチン・ロシアが、2014年3月に併合したクリミアと、
2022年9月に併合したウクライナ4州(ルガンスク州、ドネツク州、ザポリージャ州、
へルソン州)を実効支配することを認めること。
・ウクライナをNATOに加盟させないこと。
で、ゼレンスキーも、この二つを受け入れることにしました。
ところが、プーチンは、トランプの【ポチぶり】を見て、
さらに高めの要求を出してきました。
プーチンは、「停戦は危機の根本を取り除くものでなければならない」といいました。
どういうことでしょうか?
・「ネオナチ」ゼレンスキーは、大統領をやめろ!
・ウクライナは武装解除して、丸腰になれ!
・アメリカだけなく、欧州もウクライナ支援をやめろ!
要するに、「欧米がウクライナ支援をやめ、ウクライナが丸腰になったら停戦してやる」
というのです。
では、停戦期間が終わったら、プーチンは丸腰のウクライナをどうするのでしょう?
もちろん、再侵攻して、ウクライナ全土を征服するのでしょう。
こういうプーチン、我々日本国民は覚えています。
安倍さんは2012年12月に首相に返り咲いてから、
「私の代で北方領土問題を解決する!」と決意し、動いてきました。
ところが、結局うまくいかなかった。
2018年11月、安倍総理は、大きな譲歩を行いました。
「4島一括返還」を断念し、「2島先行返還」に移行したのです。
これは、1956年の「日ソ共同宣言」に記された内容なので、
安倍さんは「これで二島は戻ってくる」と思ったのでしょう。
プーチンは、どういうリアクションだったのか?
「二島を返して欲しければ、日米安保を破棄しろ!」
と無茶な要求を出してきたのです。
ちなみに昔からの読者さんは、覚えておられるでしょう。
私は、この期間、一貫して「プーチンは、北方領土を返す気が全然ないですよ」
と書き続けてきました。
それでも、「日米ロで中国を封じ込めるのには意味があるのだ」と。
今のプーチンのトランプに対する態度は、
安倍さんを翻弄しつづけた時とまったく同じです。
要するにプーチンは、「戦場で優勢なので、停戦をしたくない」のです。
プーチンのポチのように動くトランプ。
なぜ停戦は実現できないのでしょうか?
これ、簡単です。
交渉には、「アメ」と「ムチ」が必要なのです。
「アメ」だけだと、相手は怖くないので、「もっとアメをくれ!」と増長していきます。
「アメはあげるけど、約束を破ったらムチ打ち1000回の刑にするぞ!」と脅してこそ、
交渉は動きます。
「24時間でウクライナ戦争を終わらせることができる!」と豪語していたトランプ。
100日経っても終わらせることができないので、
「バイデンのこと笑えないじゃん!」と批判されています。
なかなかうまくいかないのでトランプは4月、
「もし何らかの理由で、ロシアとウクライナのどちらか一方が非常に困難な状況を
作り出すのなら、私たちは『あなたは愚かだ、あなたは馬鹿だ、あなたはひどい人間だ』
と言って手を引くだけだ」
といいました。
1日で終わらせることができなかった。
100日でも終わらせることができなかった。
それで、飽きてしまって、「もうやめる!」と放り出そうとしています。
トランプ停戦交渉がうまくいかないことで、いいこともありました。
トランプも、側近たちも、「停戦交渉がうまくいかないのは、ゼレンスキーではなく、
『ああいえばこういう』のプーチンが原因なのだ」と理解してきた。
というのもゼレンスキーは、4州をロシアが実効支配することも、
NATOに加盟できないことも、事実上受け入れているからです。
そして、「ウクライナ停戦交渉」におけるトランプの影響力が、
少しずつ落ちてきました。
それで何が起こったのか?
『TBS NEWS DIG』5月11日付。
『欧ウ5か国首脳会談「30日間の無条件停戦」12日開始で合意
ロシアにも応じるよう強く求める』
〈イギリス、フランス、ドイツ、ポーランドの首脳は10日、
首都キーウを訪れてゼレンスキー大統領と会談。
その後、5か国の首脳はアメリカのトランプ大統領とも電話会談しました。
5か国の首脳は、「30日間の無条件の停戦」を12日から始めることで合意したとし、
ロシア側にも停戦に応じるよう強く求めました。〉
ーーー
これ、今までの提案と何か違いがあるのでしょうか?
〈応じない場合、大規模な制裁とウクライナへの軍事支援を強化すると警告しています。〉
ーー
これです。
プーチンを動かすためには、「ムチ」が必要なのです。
〈フランス・マクロン大統領
「ロシアが停戦に違反した場合、ヨーロッパとアメリカは大規模な制裁措置を準備し、
連携して実施することで合意している」〈〉
ーー
ヨーロッパと【 アメリカ 】は大規模な制裁措置を準備し、実施するそうです。
ウクライナ停戦交渉で、プーチンのポチのごとく動いてきた
トランプの発言力が下がってきたのは、実にいいことです。
結局、プーチンが北方領土を返さないのも、「返さなくても全然困らないから」です。
プーチンがウクライナと停戦しないのは、
「停戦しなくても、アメリカ大統領が自分のポチだから、全然怖くない」
と考えているからです。
欧米は、「停戦しないと地獄を見るぞ!」と思わせる必要があります。
それでこそ、プーチンは、「停戦したほうがお得かな」と考え始めるのです。
◆PS
既存のマスコミに疑問を持っている。
しかし、どうしてもプーチンやトランプを「英雄」と思えない方。
あなたの「違和感」は正常です。
というのも、現在の日本の情報空間では、
「米英情報ピラミッド」と「クレムリン情報ピラミッド」が戦っているのですから。
今のウソまみれの情報空間が嫌で、ネット上で真実を探し、
「ついにみつけた!」と思ったら、実は「クレムリン情報ピラミッド」だった。
救われないです。
では、どこに本当の情報があるのでしょうか?
ここにあります。
↓
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