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     【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.397


                       2025/4/9


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★トランプ関税、ロジックは理解できても根本問題は解決されない理由



全世界の裏RPE読者の皆様、こんにちは!

北野です。



トランプ関税で日本も大変です。

自動車には27.5%の関税。

その他の製品には24%の関税がかかる。

トランプは、なぜこのようなことをするのでしょうか?

二つ理由があります。


一つは、貿易赤字を解消したい。

二つ目は、アメリカの製造業を復活させたい。


高関税を課すことで、うまくいくのでしょうか?



ところで、なぜアメリカの製造業は衰退し、貿易赤字国になったのでしょうか?

これは、「国家ライフサイクル」と関係があります。

私は、国家ライフサイクルを、大きく4つにわけています。


前の体制からの移行期(=混乱期)、成長期、成熟期、衰退期 です。


移行期(=混乱期)のわかりやすい例は、
幕末から明治維新、第2次世界大戦直後です。


どうすれば移行期から成長期に移るのでしょうか?

二つ条件があります。


政権が安定することと、正しい経済政策が行われることです。


成長期の前期、賃金水準の低いこの国は、
「質はイマイチだが安い製品」を輸出して急成長していきます。

成長期の後半になると、「質がよくて安い製品」を輸出して成長していきます。

この時期は、普通貿易が黒字になっています。

また、この時期、問題が起こってきます。

賃金水準が高くなり、たくさんの企業が、
安い労働力を求めて外国に出て行ってしまうのです。

こうして、「製造業の空洞化」がはじまっていきます。

そして、やがて貿易も赤字に転落していくのです。

日本は、どうでしょうか?

日本は2011年、貿易赤字国になりました。

2011年から2023年まで、13年のうち、10年が貿易赤字でした。


一方、アメリカは、万年貿易赤字です。

トランプは、高い関税を課すことで、
「貿易黒字化」「製造業大復活」を目指しますが、うまくいくのでしょうか?

私は、「うまくいかないだろう」と思います。

なぜ?

なぜアメリカ企業は、生産拠点を外国に移したのでしょうか?

既述のように、「外国の方が労働力が安いから」です。

どのくらい違いがあるのでしょうか?

たとえば、アメリカの一人当たりGDPは2023年、82715ドルで世界7位でした。

同年、中国の一人当たりGDPは、12597ドルで世界71位でした。

アメリカと中国の賃金水準の差は、約6.5倍です。

トランプさんは、中国に104%の関税を課す方針です。

これでも全然足りない。

では、650%の関税を課せば、
アメリカ企業は中国からアメリカに生産拠点を戻すのでしょうか?

一部の企業はそうかもしれません。

しかし、ほとんどの企業は、「他のもっと労働力の安い国」に行ってしまうでしょう。

たとえば、人口世界一の座を中国から奪ったインドの一人当たりGDPは2023年、
2497ドルでした。

これは、アメリカの33分の1です。

では、トランプさんは、インドに3300%の関税をかけるのでしょうか?


こう考えると、アメリカ製造業の衰退や貿易赤字は、
簡単には解決しない問題であることがわかるでしょう。

既述のように、トランプは、報復関税を課してきた中国への関税を、
104%にするそうです。

「ものすごい関税」ですが、アメリカ製造業を復活させ、
貿易を黒字化させるためには、「まだ足りない」といえる。

いえ、既述のように、高関税をかけても、アメリカに企業は戻らず、
他のもっと安い国に行ってしまうのです。


結局、トランプ関税で、アメリカの製造業は復活しない。

インフレが加速する結果になるでしょう。


皆さんご存知のように、
トランプは「インフレ退治」を約束して、大統領になりました。

ところが、相互関税によって、逆にインフレを加速させています。

それでも、信者、岩盤支持層は揺るがないと思います。

しかし、トランプにインフレ退治を期待して投票した無党派層は、
彼から離れるでしょう。


◆PS

既存のマスコミに疑問を持っている。

しかし、どうしてもプーチンやトランプを「英雄」と思えない方。

あなたの「違和感」は正常です。

というのも、現在の日本の情報空間では、
「米英情報ピラミッド」と「クレムリン情報ピラミッド」が戦っているのですから。

今のウソまみれの情報空間が嫌で、ネット上で真実を探し、
「ついにみつけた!」と思ったら、実は「クレムリン情報ピラミッド」だった。

救われないです。

では、どこに本当の情報があるのでしょうか?

ここにあります。

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いつもメルマガ配信下さり、ありがとうございます。

国際情勢以外にも、移民・令和のコメ騒動・財務省のことなども、戦略的に解説下さるので大変参考になります。

政府は食料品の消費税減税は期間限定であってもせず、社保料も下がりません。

減税よりも福祉・社会保障の給付で対応したい様子です。

このまま五公五民で個人消費は増えず、また増えてきた金融投資や設備投資も下がる懸念があり、デフレ逆戻りにも心配になって
きました。

その他、最近の気になるトピックについて記します。

RPE的な観点でご意見がございましたら、メルマガで配信下されば幸いに存じます。


1.この度のトランプ関税は予想以上でした。

これから日本企業も大変ですが、米国の製造業も関税策だけでは、それほど景気浮上はしないだろうと言う見方もあります。

米国の経済界からも失望の声もある様で、米経済にとっても重荷になりそうです。

他方で、GAFAMN等優良企業はおそらくロビー活動もしていることでしょう。

日本はこの分野のデジタル赤字を減らしたいところですが、貿易赤字を減らしたいトランプ政権に対して、この時期にデジタル関税は無理でしょうね。


2.中国安値輸出品(主にEV・蓄電池・太陽光パネル)への関税を上げるべきではないでしょうか。

この前の日中韓外相会談では保護貿易はなるべくしないと言っていましたが、これはその範疇ではないとも思うのですが・・・。

中国は自国企業を相当優遇している上での安値輸出ですから。(日本の親中派議員が反対するのでしょうか)   


3.日本の医療・生活保護制度に中国人移民がフリーライドしている模様です。

そういった関連のブローカーが手引きしているとか。

海外からの観光客増大の国策は結構なのですが、性善説で建付けされた法規制のわが国に、その隙間を狙う入国者への対応ができていない状況にみえます。

法の穴埋めをする時機ではないのでしょうか。

一方で中国人入国ビザを緩和するということですが、大丈夫なのでしょうか。

日本の良いところでとり上げられることに、時間やルールが守られるとか、街にゴミが少ないとか、国民皆保険制度が確立している等などがあるのは、幼少時から厳しく規律を守らされてきたことや、若い頃から保険料を支払ってきた積み重ねや苦労があってのことで、それを利用(悪用)しようとするのは大問題ではないでしょうか。 


4.先日、こども家庭庁の「利用環境実態調査」(速報)で小中高生の平均ネット利用が、初の1日5時間を超えたとありました。

さらに高校生の3人に1人は7時間以上使用となりますと、これはもうネット依存の症状ではないでしょうか? 

また、これらは年々増えつつあるとも聞きます。

豪州など海外では若い世代に規制(使用禁止)をかけていると聞きます。

他に韓国はディープフェイク対策や、米国は情報漏えいからTikTokの使用禁止などが聴かれますが、日本政府は各国の状況を注視していくとか。

ITに親しみ、有効に活用することも大事ですが、おそらくそれ以外の使用でネットに依存し過ぎている気がしています。

小中高生の時期にやっておくべきことは他にもあるはずです。

学習・運動・文化活動や読書に要すべき時間が大きく削られているのではないでしょうか。

ネットやスマホは現実から離れていて、悪い事に依存症になると自力で抜け出すのは大変でしょう。

ITやSNS活用が全て悪いとは申しませんが、この度の調査結果は大問題であり、将来の国の大きな損失になるのではと危惧されます。

以上


★北野から

メール、ありがとうございます!

さまざまな問題、どれも「その通りだ」と思いました。



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(〇を@にかえてください。)

まで。


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