【裏】RPEJournal=======================================
【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.383
2025/3/6
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★全然異なるトランプ観
全世界の裏RPE読者の皆様、こんにちは!
北野です。
現在、世界情勢の主人公は、トランプさんです。
このトランプさん、読者さんの中にも、信者さんから、
精神的におかしいという人までいろいろいて、実に興味深いです。
「トランプ観」については、本当にたくさんのメールをいただきます。
(@ほとんどお返事できなくて申し訳ありません。
しかし、感謝して読ませていただいております。)
全部は紹介しきれませんが、
今回は「トランプ観の違いがよくわかるメール」を二つご紹介させていただきます。
1、トランプは、リアリストの戦略家?
【 飯田さまからのメールここから▼ 】
〈北野先生
北野先生、こんにちは!
約5年ぶりにご連絡させて頂きます、飯田です。
先生のメルマガやパワーゲームでは、複雑に絡み合った世界情勢をわかりやすく読み解いて頂き、ビジネスの実務上でも、とても参考にさせてもらってます。
いつもありがとうございます!
さてトランプ政権の露宇戦争に関する動きが、ずーっと不可解だったのですが、すとーんと腹落ちできた記事を読んだので、先生にもご紹介したくメールしました。
◆『"狙いは「戦争終結」でも「鉱物資源」でもない…トランプ大統領がウクライナを見捨て、プーチンを選んだ本当の理由" -
狙いは「戦争終結」でも「鉱物資源」でもない…トランプ大統領がウクライナを見捨て、プーチンを選んだ本当の理由 "ロシアの兄貴分"を倒すためならNATOも要らない』
↓
https://president.jp/articles/-/92553
上記の記事を要約すれば、トランプ政権は「ロシアを自勢力に取り込み、中露離間を図って、中国と対抗し、米国が勝って覇権を維持する事を狙っている」になるかと思います。
・第二次大戦期に日独伊に対抗するために、敵性国家であった共産勢力のソ連と手を組んだアメリカ。
・冷戦期にソ連と対抗するために、同じく共産勢力であった中国と手を組んだアメリカ。
・(そして現在、)覇権を狙う中国と対抗するために、敵対しているロシアと手を組もうとしているアメリカ。
上記の歴史を振り返れば、アメリカは【善悪論】ではなく、先生の言われる【勝ち負け論】で動いている。
そして記事にある【中露離間】の視点でみると、トランプ大統領就任後の一見バラバラな動きは、確かに大筋が通ってきます。。。
地政学的にみてもハートランドであるロシアを取り込む事は理にかなっているな…、と。
そこで思ったのは今後の日本です。
親中寄りの政策を次々に打ち出し、ロシア制裁中でもある、現在の日本の外交は今後どうすればよいのか? (物流、金融など、日露間の全てが止まって数年、ちょっと困っており、せめて郵便だけでも…とは思います)
現時点では、なかなか判断しにくい難しい局面ではあるものの、先を見据えた先生のご意見を是非とも伺ってみたいなと思いました。
何か機会がありましたら、是非メルマガやパワーゲームで取り上げていただけましたら幸いです。
花粉がひどくなる時期ですが、先生も是非ご自愛ください。(私も花粉症ひどかったですが、先生が裏メルマガでご紹介していた商材のおかげで、昨年と今年、本当にだいぶ緩和されました!ありがとうございます)〉
ーーーーー
【 飯田さまからのメールここまで▲ 】
2、トランプはスーパーエゴイスト?
【 Sさまからのメールここから▼ 】
〈北野様
メルマガいつも拝見しております。
いつも有益で示唆に富んだ情報・考察を惜しみなくご提供頂き、常々感謝しております。
トランプの胸の内について考察されていた件、とっくにご承知かも知れませんが、記事をひとつご参考までに。
↓
https://wired.jp/special/2016/trumps-ghostwriter/
思うに、トランプを功利主義者だと考えると実像を見誤るのではないか。
彼は歪んだ虚栄心(虚言と自己正当化)の塊であり、他者を否定し破壊するブルドーザーのような人間。
アメリカファーストなど耳障りが良いだけのキャッチフレーズに過ぎず、本音はどこまでも自分ファーストである。
ゼレンスキーとの一件を見ても分かるように、真実・公正・ルール・信義・民主・質素堅実などといった価値観で近づいても、トランプは自分の裸の王様の衣装を侮辱されたとしか感じない。
むしろアウトローのならず者の方が、強者・成功者である限りですが、彼の憧れのヒーローなのだと思います。
彼の虚栄心を満足させるやり方で近づけば、縁もゆかりもない国の防衛戦争だってやりかねないと思います。
そこには人類どころか自国民の生命財産に関する損得勘定すらなく、自分自身の虚栄心の満足・不満足があるだけに見えます。
トランプのことは、正邪はともかく損得勘定に基づいて意識的に行為する人間と捉えるのではなく、虚栄心の損得感情に基づいて無意識的に行為する人間と捉えるべきではないかと思われます。
私はこの記事を読んで、トランプのイメージがbattered childに変わりました。
北野様はどのようにお感じになりますでしょうか。〉
【 Sさまからのメールここまで▲ 】
飯田さまとSさまのトランプ観が、まったく異なるのが興味深いです。
とはいえ、ある人物への評価が異なるのは、普通のことでしょう。
都知事選で2位につけた石丸さんについても、
賛否両論、いろいろいろいろ意見をいただきました。
これで、「トランプは神だ!彼を否定する人は情弱な馬鹿だ!」とか、
あるいは、「トランプはパラノイアだ!彼を支持する人は、人種差別主義者の極右だ!」
とヒートアップすると、アメリカのような超分断社会ができあがってしまいます。
私たち日本人は、「トランプさんについていろいろ意見があってもいい。
欧米のような分断社会をつくらいないことが大切だ」
と思い、違う意見の人に寛容でありましょう。
あの人はトランプ支持、あの人はアンチトランプ。
どっちでも日本の国益には関係ありません。
考えるべきは、「日本は、トランプアメリカとどうつきあうべきか?」でしょう。
バイデンからトランプになってわかったこと。
バイデンはウクライナを支援したが、トランプは支援しない。
ということは、あるアメリカ大統領は日本を守るが、
次の大統領になったら日本を守らないということもあり得る。
常識的に考えたら、信用できないし、
「自分の国を自分で守れる体制をつくらなければ」ということになります。
ちょうどトランプ政権は、
「日本は防衛費をGDP比3%まで引き上げろ」と要求してきました。
日本は、「アメリカから要求されたから、仕方なく防衛費を増やしていく」
ということでいいでしょう。
それで強くなるのは日本です。
日本はアメリカの要求で、「仕方なく」軍事の自立に近づいていくのです。
(@とはいえ、軍拡は「防衛増税」なしでしてください。)
PS
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発行者 北野 幸伯
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