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     【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.381


                       2025/3/3


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★トランプスパイ説



全世界の裏RPE読者の皆様、こんにちは!

北野です。


ウクライナ戦争ですが、トランプとプーチンが、
ウクライナをほとんど無視する形で停戦交渉を進めています。

2月12日、トランプとプーチンが電話会談。

2月18日、サウジアラビアで、アメリカとロシアの政府高官協議開催。

これに対しゼレンスキーは、ウクライナ抜きで話が進んでいくことを批判。


2月19日、トランプがゼレンスキーを「選挙を実施しない独裁者」「支持率4%」と非難。

これに対しゼレンスキーは、トランプについて、「偽の情報空間にいる」と批判。

そして2月28日、トランプとゼレンスキーの「大ゲンカ」が起こったのです。


トランプは、停戦について何を考えているのでしょうか?


・今の前線での停戦 = ロシアは2022年9月に一方的に併合した4州を
そのまま実効支配できる。

・ウクライナをNATOに加盟させない。

・停戦後、どうやってロシアの再侵攻を防ぐか? = 欧州にやらせて、
アメリカは関与しない。


これ、どうでしょうか?

トランプは「タフネゴシエーター」と呼ばれています。

「最初に超高めの要求を出し、その後徐々に下げて、ディールにもちこむのだ」と。


ところが、プーチンとの関係について、トランプは何の要求も出していません。

何のディールもなく、ただプーチンのいうことを素直に聞き、
それをゼレンスキーに強要しているだけです。


この「アメリカを再び偉大にする」アメリカ大統領の
奇妙なふるまいは何なのでしょうか?

いくつか説があります。


1、トランプは、中国に勝つために、ロシアを味方にしたいのだ。
リアリストの戦略家なのだ?

実をいうと私も、2005年ぐらいから2022年2月のウクライナ侵攻開始まで、
同様の主張をしていました。

「日本、アメリカ、ロシアで中国を封じ込めれば圧勝できる」と。

この考えは、リアリストにとっては普通です。

実際、リアリズムの神ミアシャイマー教授も、世界一の戦略家ルトワックさんも、
同じ主張をしていました。

私は、ウクライナ侵攻開始後、上の主張を変えました。

日本はかつて、「ヒトラーの同盟国」になって負けた。

プーチンの同盟国になることは、日本の国益にならないからです。

(@ロシアのウクライナ侵攻を支持した国は、
北朝鮮、ベラルーシ、シリア、エリトリアだけです。)


2、トランプは、ウクライナ支援は「金のムダ」と考えており、早く停戦したい?

これは、あり得そうです。

トランプさんは、「アメリカファースト」「お金ファースト」です。

トランプさんから見ると、
「ウクライナを支援して、アメリカには何のメリットがあるのだ?」と思える。

だから、戦争をはやく終わらせて、「損切り」したい。


そして、最後は、

3、トランプは、ロシアのスパイなのだ

これは、普通に考えたら【 陰謀論 】です。

証拠がないので、なんともいえません。

最近、世界では、「トランプが1987年に、ソ連でKGBのスパイになった」
という噂が流布されています。

元KGB諜報員で、現在はカザフスタン諜報機関の幹部ムサエフ氏という人が
噂を流しているそうです。

この噂によると、トランプは1987年にモスクワを訪問し、KGBのスパイになった。

そして、「クラスノフ」というコードネームを与えられたとか。

まあ、ウクライナサイドの情報戦かもしれませんし、
そのまま信じるわけにもいかないでしょう。


今回は、もう少しマシな情報源を。

『ビジネスインサイダー』2021年2月1日付から。


〈かつてプーチン大統領もその一員だったKGBが、トランプ前大統領をアセットとして40年間育成し、結果として西側陣営を批判するロシアのプロパガンダをアメリカでまき散らし、きわめて素晴らしい役割を果たしてくれたと、元諜報員がガーディアンの取材に対し語った。〉
ーー


「元諜報員」が「ガーディアン」の取材に語ったそうです。

「元諜報員」とは誰でしょうか?



〈証言したユーリ・シュヴェツは、過去数十年にわたるトランプ氏とロシアの関係を詳細に描いた、ジャーナリストのクレイグ・アンガーの新著『アメリカン・コンプロマット』の主要なネタ元だ。

ロシアとアメリカの元諜報員への取材をベースに書かれたこの著作では、KGBが1980年代にアメリカで数多くのビジネス関係者を(本人の知らぬうちに)アセットとして育て上げ、活用していた当時の状況が詳細に描かれている。〉
ーー


ユーリ・シュヴェツという人は、なかなか有名な「元諜報員」です。

なんと、YouTubeチャンネルもあります。

https://www.youtube.com/@yuryshvets


この記事によると、KGBがトランプに目をつけたのは1977年頃だったそうです。


〈「トランプはさまざまな意味で、完璧なターゲットだった。虚栄心が強く、ナルシストな彼の性質は、リクルートする相手としてうってつけ。40年間育成を受け、その性質が花開いたわけだ」(アンガー)〉
ーー


そして、具体的な話も書かれています。



〈トランプが1987年に出した著書『トランプ自伝~不動産王にビジネスを学ぶ』には、「ソビエト政府の協力を受けクレムリン(=ソ連共産党の中枢、その後ロシア連邦政府を指す)の向かいに巨大な高級ホテルを建設するため」モスクワを訪ねたとの記述がある。

だが、シュヴェツの証言によれば、このモスクワ訪問の最中に、KGB側はトランプを褒めそやし、政治の世界に明日を踏み入れるべきだと焚きつけた。

その後はKGBの諜報員も驚くような展開で、アメリカに帰国したトランプは選挙出馬を真剣に考え始めただけでなく、新聞数紙に全面広告を出し、西側諸国を批判するロシア側のプロパガンダを喧伝した。

なお、ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズ、ボストン・グローブといったアメリカを代表する新聞に掲載された全面広告のタイトルは、「治療不可能な信念の欠如を除き、アメリカの外交政策に問題は見当たらない」だった。〉
ーー


KGBにおだてられて、トランプが政治を志すようになった?


@@元ネタはこちら。気になる方は全文をご一読ください。

https://www.businessinsider.jp/article/228854/


元諜報員ユーリー・シュヴェツがいっていることは本当なのでしょうか?

私にはわかりません。

ただ、「トランプが異常なほどプーチンより」というのは事実です。

その理由は?


・彼がリアリスト戦略家で、中国に勝つためにロシアと和解したいのか?

・お金ファーストのトランプは、「ウクライナ支援は金のムダ」と考えているので、
早く停戦させたい。
条件はなんでもいい?

・彼がソ連、そして今はロシアのスパイだから?


これらの可能性があることを覚えておいて、トランプさんの動向を見ていきましょう。


(@ソ連は、戦前戦中スパイ尾崎秀実を近衛総理の最側近にすることに成功した。
「ヴェノナ文書」によると、ルーズベルト大統領のまわりには、ソ連のスパイがうじゃうじゃいた。)


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★清田先生からのメール


北野幸伯様

いつもメルマガや書籍から学ばせていただきありがとうございます。

バリバリの国際情勢分析も脳が全開になって刺激的ですが、このような話題も大事ですね。

北野様のメルマガで教えていただいた本

・「運命を開く~天風瞑想録~」(中村天風)
・「マスターの教え」(ジョン・マクドナルド)

を読んでいて、本の内容と繋がる感覚がありました。

朝に、前向きになる動画を見るのは、

「運命を開く」では「良い言葉」を使い、

自分自身の心を積極的にすべきこと。

「マスターの教え」では「体に栄養を与える言葉」は実は心に栄養を与えるので重要だということ。

と目指すところ・整える分野は同じなのではないか?と。


前述の2冊の本は、一見すると「マスターの教え」の方が字数が少なく読みやすいのかな?と思っていました。

ところが、「運命を開く」も並行して読んでいると、「マスターの教え」に詳述されていない「行間に在るポイント」がつかめるような気がします。

両著を手元に置き、カバンに入れ、ベットに持っていく。

そんな生活を続けています。

少しずつ、心に言葉を染み込ませ、人生の主たるべく意識を育んでいきます。

北野様の発信から自己の人生を好転させるヒントをいただいています。

本当にありがとうございます(*^^*)


★北野から

こちらこそ、ありがとうございます!

天風先生の哲学は、大谷翔平さんも学んでいますから、効果は立証済みです。



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