◆ 裏RPE

本文へジャンプ  

 

【裏】RPEJournal=======================================



     【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.336


                       2024/12/11


=======================================================

★目的地と達成感



全世界の裏RPE読者の皆様、こんにちは!

北野です。



今日は、全然世界情勢と関係ないお話です。

ここ半年ぐらい、土曜日、私に時間があるときは、
小4の息子とサイクリングに行きます。

息子が「行こうよ」というので、つきあいで行きます。

真夏のクソ暑い日も「行きたい」というので、
「子供はすごいな」と思いつつ行っていました。

どこに行くかは、基本的に息子が決めます。

とてもざっくりしていて、「今日は南に」とか「今日は東に」とか、
目的地を決めません。

だいたい2時間ぐらい進み、また2時間かけて戻ってきます。

途中でお腹がすいたら、道中でみかけたソバ屋、
マック、スタバなどに入ったりします。


さて、先日テレビでニュースを見ていたら、
「今〇〇市の〇〇公園では、紅葉が見ごろです」とやっていました。

私の隣に座っていた妻は、「これ、となりの市じゃん。紅葉を見にい こうよう 」
とオヤジギャグをいって笑いました。

しかし、紅葉を見に行きたいのは本気だったようです。

土曜日、私、妻、息子は、隣の市の公園まで、
自転車で紅葉を見に行くことにしました。

道は、グーグルマップが教えてくれます。

だいたい2時間走って、ニュースに出ていた公園に到着しました。

真っ黄色のイチョウ、真っ赤な紅葉がとてもきれいで、
「嗚呼、日本に戻ってきてよかった」と心の底から思いました。

2時間ぐらいその公園にいて、さらに2時間ぐらいかけて家に戻ってきました。


思ったのは、「目的地を決めたサイクリングの方が、
何も決めずに行くサイクリングより、充実感も達成感もある」ということです。


これ、人生でも同じだと思います。

人生、私と息子の「目的地を決めないサイクリング」のように
生きていくこともできます。

それでも、新しい町、新しい景色、新しい食べ物屋などを発見して、
喜ぶこともできるでしょう。

ですが、達成感はありません。

達成感は、「何かを成し遂げた」という満足感です。

その前に、「何をするか」「どこに行くのか」を決めないと、
そもそも「成し遂げる」ことができません。


前回は、テレビを見ていた妻が、
「となりの市の公園の紅葉が見ごろだから見に行こう」と目的地を示しました。

私と息子もそのアイディアに心から同意して、出発した。

目的地が決まっていたので、達成感も充実感もあったのです。


というわけで、人生も、どこに向かうのか決めること、
目的地を定めて進んでいくことが大事だなと思いました。


「流されるままに生きていたらどうだっただろう」とも考えました。

私は2018年、ロシアのネット規制が強化されたので、
モスクワを離れる決断を下しました。

28年住み、すべての生活基盤があるモスクワを離れるのは、
かなり重い決断でした。

それで、何度も何度も、ロシアの未来を分析してみたのです。

結論は、「お先真っ暗」でした。


あの時、流れに任せてモスクワを離れる決断をしなかったら、
どうなっていたでしょうか?

ウクライナ侵略がはじまり、私は選択を迫られたでしょう。


・戦争に反対して、逮捕されるか?

・プーチン政権に迎合し、「ロシアは何も悪くない。
悪いのはウクライナとその後ろにいるアメリカだ!」とウソの記事を書き続けるか?

・執筆業をやめて、転職するか?


1番目の「戦争に反対して、逮捕される」というのは、私も困りますが、
妻と子供たちはもっと困ります。


2番目の「プーチン政権に迎合し、『ロシアは何も悪くない。
悪いのはウクライナとその後ろにいるアメリカだ!』と
ウソの記事を書き続ける」のは、「安全」ではあるでしょう。

しかし、私は、自分の「良心」を裏切りつづけることになるので、
心身の健康に深刻な影響がでたことでしょう。

また、日本における私の評判はガタ落ちになったに違いありません。


3番目の「執筆業をやめて、転職する」というのはどうでしょうか?

もっともありそうなのは、「投資で食べていく」です。

しかし、ロシアがウクライナに侵攻したことで、ロシア企業への
投資で儲けることは難しくなりました。

では、通訳などで生きていく?

これも、ウクライナ戦争で日本とロシアの交流が途絶えたことで、
簡単ではなさそうです。


結局私は、日本に完全帰国し、自分の分析と良心に忠実な記事を
書くことができています。

これも、2018年に「決断」した結果です。


何度も書いていますが、プーチンのウクライナ侵略を国連総会で
支持した国は4か国しかありません。

北朝鮮、ベラルーシ、エリトリア、シリアです。

シリアの独裁者で、プーチンの盟友アサドの政権は、つい先日崩壊しました。


日本には、「悪いのはウクライナとバックにいるアメリカだ。
グローバリズムと戦うためにロシア側につこう!」などという人がいます。

日本が、北朝鮮、ベラルーシ、エリトリア、シリアと一緒に
プーチン政権を支持する???????????

100万回考えても、「それが日本の国益だ!」とは思えません。

日本は先の大戦で、ヒトラー側につくという致命的な間違いを犯しました。

私は、「今回も、懲りずに現代のヒトラー(戦略的にすでに負けている)を
支持する人がいるのだな」と驚いてしまいます。


とにかく、私は日本に戻る重い決断をしたおかげで、
自分の分析と良心に誠実な記事を書くことができています。

「流されるままに」生きずによかったと心から思うのです。


というわけで、私が最近得た教訓は、「達成感を得るためには、
目的地を定める必要がある」でした。




▼▼「おたよりコーナー」へ


PS

世界情勢をもっと深く知りたい、社長さん、起業家さん、投資家さん、
ビジネスパーソンの皆さん、政治家さん、未来のリーダーさん、

「パワーゲーム」に参加してください。

世界の大局がばっちり理解できるようになります。

詳細は↓
https://in.powergame.jp/kipg_year_rpe


PS2

北野の新刊、快調に売れ続けています。


◆『プーチンはすでに、戦略的には負けている 
~  戦術的勝利が戦略的敗北に変わるとき 』

詳細は↓
https://amzn.to/407Quka

すでに読まれた方は、アマゾンにレビューを投稿していただけると、
とても助かります。

なにとぞよろしくお願いいたします。


▼▼「おたよりコーナー」へ
=======================================================

★Tさまからのメール


北野さま

早速読んでいただきありがとうございます。

2つ言い忘れていたことがあります。

その1。

母の叔父、シベリア抑留生還者ですが、抑留者の中にロシアのスパイがいた、
などと話してくれたことがあります。

名前は李さんだったかな?

朝鮮人、語学が堪能で数ヵ国語を巧みに操り、抑留者に取り入って情報収集やら
思想の監視をしていたそうな。

叔父曰く、「李さん、あんた、GPUの諜者やろ?と問い詰めたら笑っとったわ!」
だそうです。

因みに母の叔父は獣医師でしたので将校待遇、それで生きて帰ってこれたそうです。

モスクワ出張の時は妙な縁で双日の原子力貿易担当者に
通訳で助けていただきました。

趣味でモスクワにハナショウブを普及させているのだとか。

ロシア人曰く、彼のロシア語は完璧だ、何故なんだろう?

私、たぶん、奥さんがロシア人ではないのですか?

彼曰く、Tさん、何だか、佐藤優さんのような考えをお持ちですね、
と唐突に聞かれ驚きました。

当時、私は佐藤優氏の著作も盛んに読んでいましたので
彼の影響をうけての物言いだったのでしょう。

何と、彼は元外務省職員、ロシア部局。

モスクワ大使館では佐藤優氏の同僚!

いやはや、世界は狭いものですね!


★北野から

Tさん、ありがとうございます!

「世界は狭い」について。

先日、モスクワ国際関係大学時代の友人と会いました。

その人は今、ボストンに住んでいます。

そして、私も時々メールでやりとりさせていただいている
スピリチャルの大家・加藤先生の弟子だというのです。

「世界は狭いな」と思いました。



★北野への応援メールは

tjkitanojp〇yahoo.co.jp

(〇を@にかえてください。)

まで。


=======================================================


○メールマガジン「【裏】ロシア政治経済ジャーナル」


発行者 北野 幸伯


Copyright (C)RPE JournalAll Rights Reserved. 358


=======================================================

HOMEプロフィール北野の声読者の声北野の夢北野が登場したメディア北野が登場した動画裏RPEバックナンバー