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【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.334
2024/12/7
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★「歴史に if はない」は、何がダメなのか?
全世界の裏RPE読者の皆様、こんにちは!
北野です。
(@北野講座のPRがあります。)
私は1990年、ソ連外務省付属モスクワ国際関係大学に留学しました。
1991年12月ソ連崩壊。
1996年、ロシア外務省付属モスクワ国際関係大学(修士課程)を、
日本人で初めて卒業しました。
モスクワ国際関係大学(MGIMO)出身者には、有名人が多いです。
たとえば、現職の大統領が二人出ています。
一人は、アゼルバイジャンのアリエフ大統領。
彼は2022年、2023年、ロシアがウクライナ戦争で忙しい隙を逃さず、
アルメニアと紛争を起こしました。
アルメニアは、ロシアが主導する軍事同盟CSTO加盟国ですが、
ロシアには支援する余裕がなかった。
結果、アゼルバイジャンは圧勝し、長年続いていたナゴルノ・カラバフ紛争を
終わらせることに成功しました。
アルメニアは、軍事同盟国でありながらまったく助けてくれなかったロシアに激怒。
CSTO脱退を宣言しています。
もう一人は、カザフスタンのトカエフ大統領です。
彼は2022年初、ロシアの力を借りて独裁者ナザルバエフから権力を奪取。
しかし、ウクライナ戦争がはじまると、ロシアを支持せず、裏切りました。
弱体化するロシアと距離をおいて中国に接近。
他の中央アジアの旧ソ連諸国(ウズベキスタン、トルクメニスタン、キルギス、
タジキスタン)と共に、中国と「運命共同体」をつくることで合意しました。
アリエフ、トカエフ共に、「真のリアリスト」といえるでしょう。
プーチンは、MGIMOではなく、レニングラード大学出身です。
その後KGBに入りました。
彼が担当していたのは、戦略レベルではなく、戦術、工作レベルです。
それで彼は、「目先の戦闘」(戦術)に勝つことはできますが、
「勝てば勝つほどロシアが追い詰められていく」という結果になっています。
要するに、近視眼的(戦術的)なので、
【 戦術的勝利 】が【 戦略的敗北 】に転化してしまうのです。
まさに、【 戦術脳の悲劇 】が起こっています。
ところで、モスクワ国際関係大学では、何を学んだのでしょうか?
いろいろ日本との違いがあります。
たとえば、テストはほとんど「口頭」でした。
教室に入って、机の上に並べられている縦長の紙をとります。
裏返しにすると、そこに質問が書かれている。
座ってしばらく準備して、先生のところにいき、「口頭」で答えるのです。
こういう形式だと、たとえば歴史的事件が起こった年と事件名だけでなく、
事件全体を理解し、覚え、先生に話す必要がでてきます。
それで、ロシア人は記憶力が非常にいいのです。
その他の違いとして、【 歴史の if 】をしょっちゅう考えさせられました。
日本では、しばしば「歴史に if はありませんが」といっています。
私は、この言葉は非常に「有害だ」と考えています。
なぜでしょうか?
たとえば、日本は、なぜ第2次世界大戦で負けたのでしょうか?
別の行動をすれば、第2次大戦を回避したり、
あるいは戦勝国になる道はあったのでしょうか?
この「 if 」を考えることが、極めて重要なのです。
なぜ?
次の戦争を起こさないために、万が一起こってしまっても、
今度こそ戦勝国になるために。
ところが、日本では、「歴史に if はないよね~~~~」などといい、
「第2次大戦の敗因」がまともに分析されていません。
一方、MGIMOでは、過去にさかのぼって、「あの時、どう動くのがソ連、
ロシアにとって最善の道だったのか?」をしばしば考えさせられました。
それで、MGIMOの学生、卒業生は、「大局的」「戦略的」に物事を
見ることができるようになります。
実際、ウクライナ戦争がはじまった直後、MGIMO卒業生が中心となって、
「ウクライナ特別軍事作戦」に反対する公開書簡が出されました。
これは、「ウクライナ人がかわいそう」というより、
「ロシアの長期的国益ならない」という視点からの反対でした。
このように、過去にさかのぼって、「あの時、どう動くのが最善だったのか?」を
考えることは、極めて有効です。
それによって、現在と未来の失敗を回避できるからです。
しかし、繰り返しますが、日本人は「歴史に if はないよね~~~」という言葉で、
自らの思考を大幅に制限しているのです。
実際「思考の中で過去を変え、その結果を考えてみる」のは、
極めて面白い作業です。
「・・・・・・・・・・・・・確かに面白そうです。
でもどうやったらいいのですか?」
ですよね。
やったことがなければ、やり方がわからないでしょう。
そこで私が、講座を創りました。
今回は、「ifの思考法 ~ 敗者が変えた世界史編」です。
内容は、
◆【1時限目】
日本史上最大の敗者:江戸幕府
・「大政奉還3つの嘘」
倒幕の意志はゼロだった?
江戸幕府を狂わせた薩摩のフェイクニュース
・「明治政府に消された男」
明治維新は全てこの男の功績…
知られざる日本工業化の父
・「明治日本で起きたフランスvsイギリス」
幕府と政府ではない!?…
明治日本で起きていた代理戦争
◆【2時限目】
植民地アメリカがイギリスに勝てたワケ
・「イギリスが見落とした4つの落とし穴」
米英は相性が悪い…?
何度やってもアメリカが勝てる秘密の法則
・「ジョージ・ワシントンを支えた女」
潤沢な資金源のワケ…
知られざる米初代大統領の妻
・「イギリスを嵌めた天才議員」
フランス・スペイン・オランダを味方にし、
アメリカを独立させた英雄
◆【3時限目】
2000万人虐殺のソ連暴走を止められなかった男
・「第二次大戦で唯一笑った男」
中国、アメリカ、そして日本…
勝つために張り巡らせたスターリンのスパイ網
・「共産革命を煽ったドイツ産の機関紙」
ロシアに密輸され90万部の大ヒット…
レーニンが創刊した“イスクラ”の正体
・「プーチンとスターリンの共通点」
作戦は全て一緒…?
ロシアで暗躍する邪魔なユダヤ人の削除法
◆【4時限目】
もしソ連が崩壊していなかったら
・「ソ連を壊した3つの“自由化”」
現在の中国がソ連の二の舞になる決定的なワケ
・「アメリカの時代はもう終わった」
世界初の人工衛星、有人飛行を実現....
ソ連の急成長を支えた金のなる木
・「ゴルバチョフが犯したタブー」
巨大帝国を滅ぼした改革....
ifの思考で見えてきたソ連存続の方法
この講座は、「知識を得る」こともそうですが、
「思考法を変える」「知恵を得る」講座でもあります。
たくさんの人の協力を得て、製作しました。
それで、無料で提供することはできません。(私が破産してしまいます。)
しかし、12月9日まで、【 激安価格 】で販売させていただきます。
「うんざりするほどリアリスト」
モスクワ国際関係大学の大局的、戦略的、
「Ifの思考法」を体得したい方は、是非ゲットしてみてください。
最後に、江藤様の感想です。
〈「徹底した勝敗論からの解説」
歴史上の人物については、とかく「どんな素晴らしい事 or 悪い事をしたか」と「良い人間か悪い人間か」という視点で語られることが多いが、北野氏の講義では単なる善悪論を超えて、戦略として勝ちか負けかという視点で語られている。
現実問題として、我々は会社にしろ政治にしろ、ついていく人、リーダーを見極めなければならない。
その際に、どんなに徳の高い人であれ、素晴らしいビジョンを掲げる人であっても、戦略がなければついて行く事はできない。逆に、相手がどんなに嫌いな人であっても、自分の目標達成の為には安易に敵を作らず、協力することが必要となる。
さらに素晴らしい事に、今まさに起きている国際問題、アメリカ、ロシア、中国、韓国の問題に触れ、日本としてどのように戦略を立てるか具体的に触れられている。〉
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詳細はこちらから。
↓
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