【裏】RPEJournal=======================================
【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.332
2024/12/5
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★シリア・アサド政権ピンチの根本的理由~〇〇〇〇弱体化で・・・
全世界の裏RPE読者の皆様、こんにちは!
北野です。
今回は、【裏】メルマガらしいテーマです。
マイナーすぎて日本ではあまり報道されないが、【実は重要】。
シリアの話です。
こんな報道がありました。
『フォーブス ジャパン』12月4日付。
〈シリア情勢の裏で蠢く思惑 ロシアの弱体化とトルコの暗躍が中東勢力図を塗り替える
12/4(水) 10:30配信
本稿執筆時点で、シリアの反体制派はここ5年間で最大の攻勢に出て、北部の要衝である
第2の都市アレッポを含む複数の都市を奪還し、アサド政権に壊滅的な打撃を与えているようだ。〉
ーー
シリアの反体制派が、同国第2の都市アレッポを奪還したそうです。
このニュースを聞いて、「なに~!!そうなのか!驚くべきことだ!」
と興奮する日本人は多くないでしょう。
日本人にとっては、「ローカルなニュース」がですが、
「実は重要なニュース」でもあります。
▼シリア内戦とは
2010年代はじめ、「アラブの春」というのが流行りました。
チュニジア、エジプト、リビア、イエメンなどで、長期政権が打倒されました。
シリアでも2011年から、アサド政権と反アサド派の対立が激しくなり、内戦が勃発。
しかし、アサド大統領は、優勢に戦いをつづけ、
内戦勃発から13年経過した今も政権にとどまりつづけています。
なぜでしょうか?
「シリア内戦」は、大国の「代理戦争」でした。
反アサド派を支援したのが、欧米とスンニ派の大国サウジアラビア、トルコなどです。
一方、アサド派を支援したのが、ロシアとシーア派の大国イランです。
結局アサドがサバイバルできたのは、ロシアとイランの支援があったからなのです。
3年前の地図を見ると、アサドはシリアの8割ぐらいを支配しているように見えます。
@2021年の勢力図↓
https://magazine7.net/trukey-earthquake/
反アサド勢力の支配地域は、ざっくり5%以下といったところでしょうか。
ところが反アサド勢力が息を吹き返し、シリア第2の都市アレッポを陥落させた。
なぜ?
賢明な皆さんなら想像がつくでしょう。
アサド政権最大の味方はロシア、二番目の味方はイランです。
ロシアは今、ウクライナ戦争で余裕がない。
プーチンは強気を崩していませんが、弾薬を北朝鮮からもらい、
戦場に北朝鮮兵を投入しています。
余裕があれば、北朝鮮軍に頼らないでしょう。
イランは、どうでしょうか?
イランは、「手下」を使って、イスラエルを攻撃させていました。
具体的には、ガザ地区のハマス、レバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ派などです。
ところが、イスラエル軍は、ハマスとヒズボラに壊滅的打撃を与えた。
そして、イスラエルは、トランプ新大統領のサポートを得て、イラン核施設を破壊する意向です。
だから、イランは、イスラエル+アメリカとの戦争に備える必要がある。
それで、シリアを支援する余裕がないのです。
アサドは、ロシアとイランからの支援をアテにできない状態で、
反アサド派と戦わなければならない。
だから、ボロボロになっているのです。
まだどうなるか不透明ですが、プーチンの中東の同盟者アサド政権が倒れれば、
それもプーチンの【 戦略的敗北 】といえるでしょう。
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★中里さまからのメール
北野様
中里です。
いつも勉強になるメルマガ配信ありがとうございます。
昨日(1日、日)配信の
「【RPE】【重要】★トランプは中国ロシアの【 脱ドル化政策 】を止めることができるか????」
に関して、メルマガの趣旨とは異なりますが、連想したことを少し。
財務省は国債などの国の債務を将来世代に追わせないために増税が必要で、
財源(=増税)の目途が立たないと新たな支出は認められないと事あるごとに主張しますが、
それは誤りである!
という趣旨を高橋洋一氏、森永卓郎氏等が主張しており、
私もレポートで同様の話をしている件を連想しました。
当面必要な資金は国債をバンバン発行して調達すれば良く、
また現状の国の債務は気にする水準ではないということです。
「ドルが世界通貨だと、何がいいのでしょうか?
アメリカは、世界最大の財政赤字国、貿易赤字国、対外債務国です。
しかし、世界通貨ドルの発行権をもっているので問題ありません。」
上記になぞらえて日本の現状を書けば、日本政府は通貨発行権を持っているので、
財政赤字でも問題ありません。
しかも、対外債務は僅少でほとんどが国内債務です。
さらに言えばその債務の大半を日銀が引き受けているので、
統合政府(政府と中央銀行(日本では、日銀)を一体化したもの)という
発想からはほとんど問題ありません。
なお、「統合政府」という考え方は海外の専門家では常識だそうです(以下の記事)。
「日本政府は『世界標準』から決定的にズレている」
https://gendai.media/articles/-/103580?page=3
「あなたは、世界通貨発行権を持っている。
あなたは、白紙を取り出し、『3億円』と書き、建設会社に渡しました。
建設会社は、『ありがとうございました!』と喜んで受け取りました。
詳しく話せばもっと複雑ですが、『世界通貨発行権を持っている』というのは、そう
いうことです。」
上記はそのまま日本政府の話に当てはまります。
通貨発行権を持っているので、一定の条件下では債務を気にする必要はありません。
しかも、日本銀行券には資産の裏付けがあります。
関連した話としては、下記URLのダイヤモンド・オンライン記事が参考になります。
@@財務省がここまで嫌われる「根本的な理由」とは?
https://diamond.jp/articles/-/321653?_gl=1*o04mf9*_ga*YW1wLVdRQW9NYmdRdXZlQk
V4MC1qVlgzZnZieWVLSHVkRGZjdDk1MXdJdG9VSjBWR1hNNXRPZTFPWWh0UXFrTDNLci0.*_ga_4
ZRR68SQNH*MTczMjg4Mzg4MS4yLjEuMTczMjg4Mzg4MS4wLjAuMA..
冒頭の関係部分を引用しますと下記の通り。
「変動為替相場制の下において、自国通貨を発行する政府は、その自国通貨建て国債に関して、
債務不履行(デフォルト)になることはあり得ない。日本政府は、これに該当するので、財政破綻は
しない(過去にデフォルトに陥った政府は、いずれも、これに該当していない)。
だとするならば、収支均衡を目指す健全財政(財政規律)は、無意味となる。
その代わりに、国家財政は、財政支出、徴税、国債発行の有無や規模については、それらが、
国家の経済に与える影響を基準にして運営されるものとなる。これを『機能的財政』と言う。
『機能的財政』論によれば、財政赤字が国家の経済に良い影響を与えるならば、
その財政赤字がどれだけ巨額になろうとも、それは『良いこと』である。
逆に、財政支出の削減や増税が不況を引き起こすなど、国家の経済に悪影響を及ぼすならば、
たとえ財政が健全化したとしても、それは『悪いこと』だ。」
以上、基軸通貨の攻防に絡んで、日本国内の財務省の「国が滅んでも財政規律」の
嘘八百を連想したという話でした。
今後ともよろしくお願いします。
★北野から
貴重な情報、ありがとうございます!
「機能的財政論」
すばらしい響きです。
最近の日本を見ると、「国民が覚醒してきた」と感じています。
日本は、良い方向にむかっていくことでしょう。
★北野への応援メールは
tjkitanojp〇yahoo.co.jp
(〇を@にかえてください。)
まで。
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