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     【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.331


                       2024/12/3


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★ゼレンスキーが態度を軟化、なぜ?



全世界の裏RPE読者の皆様、こんにちは!

北野です。

2022年2月にはじまったロシアによるウクライナ侵略。

プーチンは当初、「超短期間で首都キエフを制圧し、
ゼレンスキー政権を打倒し、戦いを終わらせることができる」と考えていました。

その証拠に彼は、ウクライナ侵略を「戦争」と呼ぶことを禁止。

「ウクライナ特別軍事作戦」と呼ぶことを全マスコミだけでなく、
全国民に強制したのです。

要するに、ウクライナ侵攻は、「戦争なんて大げさなものじゃない」
「すぐ終わる」という意味です。


しかし、ウクライナの予想外の抵抗にあい、
「特別軍事作戦」はどんどん長期化していきました。

現在すでに、2年と10カ月目に突入しています。

ウクライナ軍、「軍事力世界2位」といわれたロシア軍を相手に
「立派に戦っている」といえるでしょう。


ですが、今まで「全領土を取り戻すまで徹底抗戦」を主張してきた
ゼレンスキーは、立場を変えてきました。

「全部の領土を取り戻さなくても停戦はありえる」と。

『共同』12月1日。



〈一部ロシア占領地「外交で回復」 ゼレンスキー大統領が単独会見
12/1(日) 23:02配信
【キーウ共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は1日(日本時間1日夜)、
首都キーウ(キエフ)で共同通信と単独会見した。
(中略)
クリミア半島を含む一部のロシア占領地は武力での奪還が困難だと率直に認め、
外交によって全領土回復を目指す必要があると述べた。〉
ーー


「クリミア半島を含む一部のロシア占領地は武力での奪還が困難」だそうです。


「一部のロシア占領地」とは、「ルガンスク州、ドネツク州、ザポリージャ州、へルソン州」
のことでしょう。

ただし、ロシアが州全土を支配できているのはルガンスク州だけです。


これまで「徹底抗戦」を主張してきたゼレンスキーが弱気になった理由。


もちろん、親プーチンを公言し、ウクライナ支援に超消極的なトランプが
大統領選で勝利したことが主な原因でしょう。


ゼレンスキーは「領土を武力で取り戻す」件について、態度を変えました。

しかし、もう一つ重要なポイントがあります。


それは、「停戦しても、プーチンは、軍を休めてまた攻めてくるのではないか?」というもの。


これについてゼレンスキーは、領土を武力で奪還することを断念するかわりに、
「早期のNATO加盟」を求めています。



〈ゼレンスキー氏は全領土奪還を目標に徹底抗戦を公言してきたが、
NATO加盟が確約されてロシアの侵略を抑止できる環境が整えば、
一部領土は戦闘終結後に交渉で取り戻すことを容認する方針に転換した。〉
ーー


この要求も、トランプが大統領では実現が困難でしょう。

それでゼレンスキーは、


「領土奪還」

「NATO加盟」


両方を断念して停戦することを半ば強制される流れです。

とはいえ、欧州の国々、たとえばイギリス、フランス、ドイツ、
イタリア、ポーランドなどには、「ウクライナを支援しつづける動機」があります。

なんでしょうか?

停戦が実現したとします。

プーチンは、経済を立て直し、軍を休養させました。

数年後、プーチンは再びウクライナへの侵略を開始し、
今度は全土を制圧することに成功しました。

次に、旧ソ連のNATO非加盟国モルドバを制圧。

さらに、NATO加盟国のバルト三国(リトアニア、エストニア、ラトビア)
への侵攻を開始します。

バルト三国はNATO加盟国なので、戦いは
NATO vs ロシアの大戦争に発展しました。


こういう展開になると、欧州の大国、イギリス、フランス、ドイツ、
イタリア、ポーランドなども、直接ロシアと戦うことになる。

そうならないためには、ウクライナにロシアを食い止めてもらうのが一番いいのです。

だから、トランプアメリカ抜きでも、ウクライナのNATO加盟はムリでも、
ウクライナを支援しつづけ、強化しつづける動機があるのです。


「ウクライナ支援はお金がかかる。しかし、ロシアと直接戦争になるほうが
もっとお金がかかるし、国民が死ぬことになる」


冷静に考えれば、ウクライナを支援したほうが「安上がり」に決まっています。

しかし、多くの国民に長期的、大局的視点はなく、日々の電気代、食費などのことを
考えているので、「ウクライナ支援をやめろ!」と主張する右派が台頭しているのです。

というわけで、ゼレンスキーにとっては、「残念な流れ」になってきています。


とはいえ、世界的視点で見ると、ウクライナ戦争におけるロシアの勝利は、
【 戦術的勝利 】に過ぎません。

プーチンは、2022年2月24日にウクライナ侵攻を開始した時点で


【 戦略的敗北 】を喫しているのです。


「はあ~~~~、何言ってんの?
意味わかんね!」


という人もいるでしょう。

そういう「戦術的視点」しかないので、大日本帝国は敗れたのです。

いますぐこの本を読んで、【 戦略的視点 】を得てください。

世界観、人生観が一変することでしょう。




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★Tさまからのメール


北野さま

貴メルマガの長年の読者ですが、寄稿するのは今回が初めてです。

スパイ体験ではありませんが、今から20年前、仕事で出張した先での体験で
特に印象深かったことをまとめた拙文を添付しましたのでご笑読ください。

12年前にモスクワのとある研究所に出張した際には、北野さまのメルマガからの
情報が大変役にたったことを今でも覚えています。

特にロシア人の科学者とどの様にして関係を築けばよいのか?ロシア人の
メンタリティーとは?米原真理氏のエッセーから得られる情報とともに貴重でした。

生身のロシア人を知る日本人にはなかなか出会えませんので。

私のまわりでロシア人を知る唯一の存在であったわが母親の叔父
(シベリア抑留生還者)のロシア人観だけではとてもじゃないけど不十分でしたし。

北野さまのますますのご活躍、祈念しております。


★北野から

長年メルマガを読んでくださり、ありがとうございます!

12年前のモスクワ出張でメルマガが役に立ったとのことで、とてもうれしいです。

今後ともよろしくお願いいたします!



★北野への応援メールは

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