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     【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.325

                       2024/11/24


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★ロシアとの戦争に備えるスウェーデン、政府は備蓄を呼びかける



全世界の裏RPE読者の皆様、こんにちは!

北野です。


「ウクライナ戦争」について。

私は戦争がはじまる前(2021年12月頃)から、
ずっと同じことを主張してきました。


・プーチンがウクライナ侵攻を決断する可能性がある

・プーチンがウクライナ侵攻を決断すれば、戦闘に勝っても、
【 戦略的敗北 】は【 不可避 】である


つまり、戦争がはじまる前から、結果を書いていたのです。

ポイントは、「戦闘に勝っても」と【 戦略的敗北 】という部分です。

【 戦略的敗北 】とは何でしょうか?


たとえばAさんが、嫌いなBさんをボコしました。

目先の戦闘に勝ったので、Aさんの【 戦術的 】勝利です。

ところがBさんは、Aさんを訴えました。

Aさんは、傷害罪で逮捕され、懲役をくらい、仕事を失い、家族は離散しました。

Aさんの【 戦術的勝利 】が【 戦略的敗北 】に転化しました。


世界2位の軍事大国といわれたロシアが、ウクライナとの戦闘に勝っても
不思議ではありません。

しかし、Aさんと同じで、ロシアは【 戦略的に負けている 】のです。

詳述はしませんが、たとえば、


・ウクライナ、モルドバ、ジョージアが、EU加盟申請をし、
「ロシア離れ」を加速させている。

・アルメニアは、ロシアを中心とする軍事同盟CSTOからの脱退を表明した。

・旧ソ連のカザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、タジキスタン、
トルクメニスタンは、ロシアを見限り、中国と「運命共同体」を創ることで合意した

・プーチンはNATO拡大を阻止するために戦争を始めたが、
NATO加盟国は逆に増えてしまった


などなど。

プーチンの【 戦略的敗北 】について詳しく詳しく知りたい方は、拙著



◆『プーチンはすでに、戦略的には負けている 
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をご一読ください。

全部わかります。


さて、【 戦略的敗北 】の一例として、


「プーチンはNATO拡大を阻止するために戦争を始めたが、
NATO加盟国は逆に増えてしまった」


をあげました。

具体的にいうと、ウクライナ戦争開始後、
フィンランドとスウェーデンがNATOに加盟しました。

両国は、伝統的に中立国家だった。

ウクライナ戦争が起こらなければ、決してNATOに加盟しなかったでしょう。

ところが、戦争勃発後、「こちらが何も悪いことをしなくても、
いきなり侵攻してくるクレイジーな国がある」ことを悟った。

そこで両国は、あわててNATO加盟を決断したのです。

フィンランド、スウェーデンがNATOに入ったのは、
まさに「プーチンのせい」といえるでしょう。


そんなスウェーデンが、戦争に備え始めています。

『毎日新聞』11月22日付。



〈「戦争に備えよ」スウェーデン、食料や薬の備蓄を国民に呼びかけ
スウェーデン政府は18日、欧州で近く戦争が始まる可能性も視野に入れ、国民に対して食料や医薬品の備蓄を促すパンフレットの配布を始めた。〉

〈ウクライナを巡るロシアと欧米の対立が激化する中、スウェーデン民間緊急事態庁は「安全保障環境は劇的に変化した。私たちは全員、戦争への『耐性』を高める必要がある」と警告している。〉

〈スウェーデン政府作成の冊子には、空襲時の避難方法、防空壕(ごう)の見つけ方、負傷の際の止血法などが約30ページにわたって記載されている。

食料や薬のほか、子供用のおむつ、生理用品、ウエットティッシュなどの備蓄も呼びかけている。冊子は18日から2週間かけて国内の全520万世帯に郵送する予定で、既にデジタル版は数万回ダウンロードされたという。〉
ーー


スウェーデン政府は、国民に「ロシアとの戦争に備えて備蓄してください」
と呼びかけています。

そして、「具体的に、どこでロシアとの戦闘が起こるのか?」もわかっています。



〈スウェーデン軍のビデン元最高司令官は米メディア「ポリティコ」に対し、バルト海に浮かぶスウェーデン領ゴトランド島の南東にロシアの飛び地カリーニングラード州が位置することを挙げ、「プーチン露大統領は間違いなくゴトランド島(の支配)を視野に入れている。彼の目標はバルト海だ」と述べた。〉
ーー


スウェーデンが、ロシアとの戦争に備え始めました。

なぜ?

皆さんご存知だと思いますが、きっかけは、
バイデン政権が「射程の長いミサイルATACMSをロシア領内への攻撃に使用すること」
をウクライナに許可したことです。

そして、ウクライナは実際に、ATACMSでロシア領内を攻撃しています。

これに対してロシアは11月22日、新型中距離弾道ミサイル
「オレシニク」を使って攻撃しました。

プーチンは11月22日、以下のように語りました。


「我々の施設に武器を使用することを(ウクライナに)許可している国の
軍事施設に対して我々には武器を使用する権利がある!」


@@映像はこちら↓
https://www.bbc.com/japanese/articles/c2e7ype32vgo

つまりプーチンは、「アメリカとイギリスを攻撃する権利がある!」と言ったのです。

彼が本気だとすれば、世界は「第3次世界大戦前夜」ということになります。

これにスウェーデン政府が反応したということでしょう。


ところで、なぜバイデン政権は、ウクライナがアメリカ製の武器を使って
ロシア領内を攻撃することを許可したのでしょうか?

トランプが大統領になる日が近づいているからです。

バイデンとトランプの「ウクライナ観」「ロシア観」は正反対です。


バイデン = プーチンが大嫌い。勝利するまでウクライナ支援を継続したい。

トランプ = なぜかプーチンが大好き。ウクライナ支援に超消極的。停戦を急ぐ。


バイデン的には、


・残り二カ月で、できるだけ米ロ関係を破壊し、
トランプがプーチン・ロシアと和解できないようにしたい。

・ウクライナにロシア領への攻撃を許可し、トランプが大統領になる前に、
できるだけウクライナを優勢にもっていきたい。

・それによって、トランプになっても、ウクライナが強気の姿勢で
交渉にのぞむことができるようにしたい。


ということでしょう。



▼日本にとっても「対岸の火事」にあらず



「嗚呼、欧州は大変だな~~~~~。
我が国は平和で幸せだ!」


現状その通りです。

しかし、日本も油断できません。

皆さんもご存知のように、世界情勢は一年で「ガラッ」と変わります。

2021年、世界は比較的平和でした。

ところが2022年、プーチンがウクライナ侵略を開始した。

2023年、イスラエルーハマス戦争がはじまった。

2024年、イスラエルーハマス戦争が、イスラエルーハマス、ヒズボラ、
イラン戦争に拡大した。


アメリカは、ウクライナとイスラエル両国を支援しなければならない。

台湾を併合したい習近平にとっては、「おいしい状況」です。


それで、台湾有事が起こる可能性があります。

習近平は、金正恩に「一緒にやろうぜ!」「韓国攻めちゃいな」と誘うかもしれません。

「アメリカは、4正面作戦で勝てないよ」と。


というわけで、欧州、中東が荒れていますが、
アジアが戦争になってもおかしくない状況です。

スウェーデンほどではないですが、私たち日本人も、
「戦争が起こるかもしれない」という意識を持っておく必要があるでしょう。



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★上村さまからのメール


北野先生

お世話になっております。

上村です。

これまでのメルマガで、日本で消費増税をするたびに
景気が悪化したということはわかりました。

では、消費税を導入した他の国の景気はいかがでしょうか?

また、消費減税で景気が回復した例を挙げるとさらに説得力が増すと思います。

例えば、マレーシア。

消費税減税で景気刺激 すでに10カ国が実施
https://www.zenshoren.or.jp/2020/07/13/post-4676

心理学の準実験という方法の中に反転法があります(添付資料の31ページ)。

例えば、実験条件を導入すると測定値が増加し、
それを撤去すると測定値が減少した。

再び実験条件を導入して測定値が増加すると、
実験条件の効果があったと見ます。

ですから、「消費増税→景気悪化 消費減税→景気好転」という例が多くあれば、
当然、消費減税をすれば景気が回復するという言説の説得力が増します。

エビデンスが多いに越したことはありません。


それから、私もオーラは直接見えませんが、放つ雰囲気はわかります。

7年前に電車の中でモデルの谷まりあさんを見ました。

明らかに周りの人とは放っている輝きが違いました。

従姉妹は昔、郷ひろみさんを直に見て、
雰囲気が普通の人と違ったと言っていました。

彼らが輝いているのも、もしかしたら感謝をしているからかもしれませんね。

「感謝 オーラ」で検索すると、実証しにくい目に見えない話にもかかわらず、
北野先生の説を支持する記述を見つけました。

生かされていることに感謝しましょう
https://www.houonji.com/column/2147/

「かのマザー・テレサは人のオーラが見えたそうです。特に人がニコッと笑って
『ありがとう』と言った時にオーラが強くなるのを感じたそうです。
感謝をすると、生命力が強くなるということです。」

最後に、宮城谷昌光先生の「張良」が12月6日に発売になります。

張良 (単行本)
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★北野から

メール、ありがとうございます!

教えていただいた記事

消費税減税で景気刺激 すでに10カ国が実施
https://www.zenshoren.or.jp/2020/07/13/post-4676

を読み、消費税減税が普通に行われていることがわかりました。

ありがとうございます。


また、「オーラの話」もありがとうございます。

「光り輝くオーラ」の話、自分自身忘れないようにしたいと思います。


「張良」楽しみです。

諸葛孔明並に好きな人物です。

農業嫌いの農民、戦下手で怠け者の劉邦の名軍師ですね。




★北野への応援メールは

tjkitanojp〇yahoo.co.jp

(〇を@にかえてください。)

まで。


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