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【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.314
2024/11/9
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★トランプ次期大統領の行動原理
全世界の裏RPE読者の皆様、こんにちは!
北野です。
アメリカ大統領選、トランプさんが勝利しました。
よく「理解不能」と呼ばれるトランプさん。
しかし、彼の行動原理、実は非常にわかりやすいです。
国益にはいろいろあります。
もっとも重要なものを二つ挙げると、【 安全保障 】と【 経済 】になります。
個人に例えれば、【 命 】と【 金 】です。
では、「安全保障」と「経済」は、どちらが大事なのでしょうか?
「安全保障」の方が大事です。
なぜ?
これは、「命(安全保障)と金(経済)どちらが大事ですか?」という質問なのです。
こう質問されて、「私にとって金の方が命より大事です」と答える人はいないでしょう。
というのも、命がなくなれば、お金を使うこともできなくなります。
そして、よくいわれるように、「天国にお金を持っていくことはできない」のです。
ですから、国家にとっても、「安全保障(命)」は「経済(金)」よりも大事なのです。
しかし、状況によって「経済がより重視されること」がしばしばあります。
どういう時でしょうか?
そう、「平和な時」です。
たとえば日本。
1945年から1990年まで、日本国民も政府も、
安全保障についてはまったく考えず、ひたすら金儲けに励んできました。
なぜ?
安全保障は、覇権国家アメリカに全部任せていたからでです。
さて、トランプさん。
トランプさんは、明らかに「安全保障」よりも「経済」(金もうけ)を重視している人です。
なぜでしょうか?
「地政学の祖」マッキンダーは、ユーラシア大陸とアフリカ大陸を「世界島」と呼びました。
そして、紛争が起こっている、あるいは起こりやすい地域を見ると、
全部「世界島」にあります。
ロシアーウクライナ戦争、イスラエルvsハマス、ヒズボラ、イラン戦争。
起り得る、台湾vs中国戦争、韓国vs北朝鮮戦争。
アメリカは、「世界島」から離れている。
さらに世界最強の軍事力を誇っているため、現状「絶対安全だ」といえるのです。
「海によって隔てられている」というのが、重要です。
たとえば、破竹の勢いで大陸欧州を制圧したヒトラーは、
イギリスに勝つことはできませんでした。
ユーラシアのかなりの部分を制圧したモンゴル軍(ここでは元軍)は、
海のせいで日本に勝つことができませんでした。
同じように、アメリカは海という緩衝地帯に守られて、
圧倒的に安全なポジションにいる。
ところがここで、「安全保障」「経済」ではないもう一つの要素が加わってきます。
それが「覇権」です。
「世界の支配権」をかけた争いがある。
米ソ冷戦時代、世界はアメリカを中心とする民主主義、資本主義陣営とソ連を
中心とする共産党一党独裁、社会主義計画経済陣営に二分されていました。
アメリカは、日本、欧州、そして世界中の民主主義、資本主義勢力を【 支援 】することで、覇権競争に勝とうとしたのです。
ところが【 金儲けファースト 】のトランプさんは、
「覇権維持のためのコスト【 無駄じゃね? 】」と考えている。
トランプさんから見ると、「ウクライナ支援の金、もったいなくね?」と思える。
だから彼は、「NATO加盟国は、もっと金を出せ!」
「日本は米軍駐留費用をあげろ!」「韓国はもっと金をだせ!
でないと米軍は撤退するぞ!」というロジックになっていくのです。
トランプさんの行動は「アメリカファースト」と呼ばれますが、
もっと具体的に【 金儲けファースト 】だと見れば、すっきりわかるようになります。
日本人は、概して【 世界はお金を中心に回っている 】ことが理解できません。
そして、正直言えば、安倍さん以前の総理大臣も全然理解できていなかった。
2000年代の初め、Z氏から質問されたことがあります。
「今度日本から〇〇さんが来るのだが、何をしにくるのかわからない。
君たち知らないか?」
と。
私と日本人のY氏は、にっこり微笑んでいいました。
「別に用はないですよ。
パズナコーミッツァしにくるんです。」
パズナコーミッツァというのは、「会う」と訳されていますが、
「新しい人と知り合いになる」という意味です。
Z氏は、「冗談だろう。国の金を使って、ただ挨拶にくるのか?」と笑いました。
私とY氏は、「冗談じゃないです。本当にそうなのです」と少し真剣になって答えました。
つづけて私とY氏は言いました。
「なぜロシア政府が日本のことを全然理解できないか教えてあげましょう。
ロシア政府は、日本政府がいろいろ策を練って、
行動していると考えているでしょう?」
Z氏、「もちろんそうだろう?」
私とY氏
「だからロシア政府は日本政府の意図がわからないのです。
なぜなら、日本政府は何も考えていないからです。
試しに『何も考えていない』という前提で、日本政府の動きを見るようにしてください。
全部クリアに見えるようになりますから。」
Z氏は、「まさか・・・」という感じで黙ってしまいました。
しかし、それからしばらくして、「君たちの言うとおりに日本政府の動きをみるように
したら、とてもクリアにわかるようになった。ありがとう!」と感謝されたのです。
なぜ、安倍さんが登場するまで、日本政府は「全然何も考えず」
行動していたのでしょうか?
「考える必要がなかったから」でしょう。
1950年から1990年頃まで、優秀な日本企業のおかげで、
日本経済は勝手に成長していました。
安全保障については、全部アメリカ政府に丸投げして、全然考える必要がない。
1990年にバブルが崩壊しました。
それでも日本政府が、経済成長のために外国との関係を
よくしようとは考えていなかったのでしょう。
繰り返しますが、日本政府の行動が、戦略的になったのは、
明らかに安倍さんからです。
菅さんも岸田さんも、安倍さんの意志を引き継いで、
比較的戦略的動きをしていました。
岸田さんは、「大増税路線」に走ったので、
「増税クソメガネ」と嫌わて失脚しましたが。
外交、安全保障面ではちゃんとしていたので、実に残念です。
というわけで、日本国民は、「国は会社と同じで日々金儲けをしているのだ」」
ということが、よくわかっていません。
「金儲けのためには、ウソもつくし、戦争も起こす」ということがわかっていません。
この【 金儲けが世界を動かしている 】ことを徹底的に理解できたとき、
あなたは世界情勢を手に取るように理解できるようになるでしょう。
「・・・・・・・・・・でも、どうすれば、金儲けが世界を動かしていることを
徹底的に理解できますか?」
問題です。
というのも日本のテレビなどをみると、ほとんどが
「人権ベース」で語られているからです。
たとえば、ハマスは2023年10月、
イスラエルに攻め込んで1200人を大虐殺しました。
ここからイスラエルーハマス戦争が起こったのです。
さらに、レバノンのヒズボラは、ハマスと連携して、
2023年10月からイスラエルへのミサイル攻撃をつづけてきました。
しかし、日本のテレビは、一様に「民間人がたくさん犠牲になって
かわいそうだ」という観点で、イスラエルを非難しています。
もちろん、犠牲になっている民間人はかわいそうです。
その視点も絶対重要でしょう。
ですが、「かわいそう」という視点「だけ」では、
全然世界情勢を知ることはできないでしょう。
というわけで、世界の大国は、金もうけのために日々、
どれほど熾烈な戦いをしているのかを知るための講座を作りました。
内容は、
<第1章:支配者と一般大衆の違い>
講義1「スパイ養成大学初の日本人」
なぜ私は敵国ソ連を選んだのか
講義2「支配者たちとの出会い」
大統領顧問になって拓けた未知の扉
講義3秘密の情報なんてない?
支配層だけが知っている溢れる情報の読み解き方
講義4「操られたサブプライム問題」
私がリーマンショックを予測できたワケ
<第2章:国家と国益>
講義5「世界情勢とドラえもん」
政治家も知らない国益の本当の意味
講義6「日本は世界3位なのになぜ?」
GDPが鳥取並みの小国に振り回されるワケ
講義7「2位じゃダメ?」
大航海時代から続く覇権争いの根源
講義8「金はいくらでも降ってくる…」
赤字20兆ドル超えのアメリカが破産しないワケ
講義9「サウジと米国の闇取引」
ドル覇権を守る二国の密約
講義10「覇権に拘るボロボロの大国」
中国、ロシアではない…アメリカを狙った執念深い国
講義11「大量破壊兵器のウソ」
サダムフセインは無罪?読売が暴いた米国の思惑
講義12「EUに覇権を!」
政権の中枢が明かしたイラク戦争 開戦の真実
<第3章:米露エネルギー争奪戦>
講義13「株券をウォッカで買う男」
ソ連崩壊で判明...知っている人は得をした格差社会のルール
講義14「ロシアを牛耳った7人」
国の50%の富を独占…大統領をも操る“オリガルヒ”の正体
講義15「プーチンvs超富豪」
ロシアの石油王とロスチャイルド家の謀略計画
講義16「中国化する統制国家の誕生」
ロシアでAMAZON・LINEが使えなくなるワケ
講義17「アメリカの復讐」
グルジア新大統領を襲った“革命”の洗礼
講義18「ゴルバチョフの光と影」
世界から好かれ、国民から嫌われる大統領のナゾ
講義19「村八分にされたロシア」
強権的すぎたプーチン外交の岐路
講義20「旧ソ連諸国の攻防戦」
天然ガスパイプラインを巡る陣取りゲーム
講義21「現代の薩長同盟」
勝つためには敵とも組む...プーチンの狡猾な外交戦略
<第4章:米国一極支配の終わりと米中戦争>
講義22「ドルの弱体化」
ルーブルが世界通貨に?...覇権を狙うロシアの計略
講義23「仕組まれたリーマン・ショック」
アメリカ潰しを目論む中露の思惑
講義24「アメリカを捨てた首相」
日本民主党が進めた平成最大の貿易愚策
講義25「21世紀の大革命」
世界地図を塗り替えた新技術...地団駄を踏むプーチン
講義26「トランプの感謝すべき暴論」
日本が軍事的自立を果たす日
講義27「安倍のヨイショは日本を救う」
オバマを中国封じに一転させた名演説
講義28「アメリカ VS ファーウェイ」
なぜ大国が一企業を異常警戒するのか?
講義29「ハリボテの中国」
経済成長なんて真っ赤な嘘?...世界を騙すGDPのトリック
講義30「世界情勢の把握術」
今日からニュースの見方が変わる...着目すべき3ヵ国の動向
たくさんの人たちの協力を得て作られた講座です。
それで、さすがに無料で提供というわけにはいきません。
しかし、某大手出版社の敏腕女性編集者さんから、
「こんなに安く提供して元とれるのですか?」と心配されるレベルの
価格に設定しています。
皆さんに受講してくださいとはいいません。
「世界を先読みする必要がある仕事の人」
たとえば、経営者、起業家、ビジネスパーソン、投資家、政治家、
世界の支配者の視点を手に入れたい人などにお勧めです。
皆さんにとっては、「極めてお得な自己投資」になるでしょう。
最後にすでに受講されたtakahashiさんの感想を。
(@感想は山ほどありますので、是非下のページから参考にしてください。)
〈北野先生の現代君主論ですが、結論から言うと「超」オススメです。
なぜか?
まずもって分かりやすい。
しかも楽しい。
にもかかわらず、クオリティは超がつくほど一級品。
覇権を争う世界の国々がの行動原理、思考ロジックがよーく
理解できるようになりました。
通勤途中の電車で、何回も聞きまくっています^^;〉
詳細はこちらかチェックしてください。
↓
https://realin.org/l/c/e7cwawss/4BKr2sBK
PS
北野の新刊、快調に売れ続けています。
◆『プーチンはすでに、戦略的には負けている
~ 戦術的勝利が戦略的敗北に変わるとき 』
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