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【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.313
2024/11/8
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★裏金問題について
全世界の裏RPE読者の皆様、こんにちは!
北野です。
私は、岸田さんが「総裁選にでません」と言ったときから「裏金問題」ではなく、
「増税問題」の話ばかりしてきました。
日本経済が「暗黒の30年」を超え「暗黒の40年」にむかっているのは、
まさに「増税が原因」だからです。
自民党総裁選では、支持した「反増税派」の青山さん、
茂木さん、高市さんが負けました。
それで、衆議院選挙では、「大増税派」の石破自民党と、
「総理時代に消費税率を5%から10%に引き上げることを決めた」
野田立憲民主党以外の政党に入れることを提案しました。
私自身は、「減税派」の国民民主に入れると宣言していました。
結果、国民民主は議席を4倍増やし、
政界のキャスティングボートを握ることになっています。
選挙の結果、石破自民は「少数与党」に。
それで、「大増税派」の石破さんが増税しようとしても、
簡単にはいかないでしょう。
結果的に、「選挙前よりマシになった」といえます。
ところで、私がほぼ無視してきた「裏金問題」はどうなのでしょうか?
「大増税問題」ほどではないですが、やはり「重要な問題」だと思います。
なぜでしょうか?
国家ライフサイクル理論では、移行期(混乱期) →成長期前期 →成長期後期
→成熟期 →衰退期とつづいていきます。
日本は1990年に、低成長の成熟期に入りました。
では、日本は今後、衰退していくしか道はないのでしょうか?
これは、そうともいえません。
実をいうと、成熟期でも豊かさを謳歌している国があるのです。
それらの国の特徴の一つは、【 汚職が少ない 】ということです。
2023年度の「一人当たりGDPランキング」を見ると
1位 ルクセンブルク
2位 アイルランド
3位 スイス
4位 ノルウェー
5位 シンガポール
となっています。
ちなみに日本は、32位。(涙)
2023年度の「汚職認識指数ランキング」(=汚職が少ない国ランキング)を見ると
ルクセンブルグは世界9位。
アイルランドは11位。
スイスは6位。
ノルウェーは4位。
シンガポールは5位。
となっています。
ちなみに日本は16位。
次に汚職度が少ない国トップ5の、一人当たりGDPを見てみましょう。
1、デンマーク (一人当たりGDP世界10位)
2、フィンランド (一人当たりGDP世界19位)
3、ニュージーランド(一人当たりGDP世界24位)
4、ノルウェー(一人当たりGDP4位)
5、シンガポール(一人当たりGDP5位)
もちろん、「汚職の少ない国は豊かになれる」とは断言できないでしょう。
しかし、「汚職まみれの国が、一人当たりGDP上位にいない」ことも事実。
実際、国民が豊かな国は、汚職の少ない欧州の成熟国が多いのです。
日本が「豊かな成熟期の国」になりたければ、まともな経済政策を行うと共に、
「汚職のない国を創ること」も大事です。
「リアリスト」の「大人」である私たちは、「世の中そんなきれいごとばかり
いっていられない。清濁併せ呑むのが大人だ」などと妥協してしまいます。
「多少の汚職はいいじゃないか」と。
この件について、プーチン政権の汚職を追及し、
獄中死したアレクセイ・ナワリヌイは言います。
〈人は自分が支持している人間の違法行為を大目に見がちだ。
最初は小さな過ちだけだが、次第に大きな過ちも見逃すようになる。〉
(『PATRIOT~プーチンを追い詰めた男の最後の手記』p143)
これどうですか、皆さん?
「あの人は、保守派だから裏金もらってもよしとしよう」
「あの人は、男系天皇支持だから裏金をもらってもよしとしよう」
「あの人は、選択的夫婦別姓に反対だから裏金をもらってもよしとしよう」
本当にそうでしょうか?
では同じロジックで、あなたは保守派で、男系天皇支持で、
選択的夫婦別姓に反対だから、所得の一部を申告せず、
税金を払わなくてもいいのでしょうか?
そんなことをすれば、捕まります。
では、なぜ政治家は、いいのでしょうか?
お世話になっている税理士さんがいいました。
「これは、国の根幹にかかわる大問題です」と。
その通りでしょう。
国のトップに立つ人は(人も)、裏金をつくるべきではないのです。
以前にも書きましたが、「権力は長期になると腐る」という絶対法則があります。
腐ってきたら、主権者である国民は、罰する必要がある。
それを見逃してしまうと、汚職はどんどんどんどん進み、
ロシアのようになってしまうのです。
ちなみに、「グローバリズムと戦うナショナリズムの英雄」
プーチンが統治するロシア。
この国は、原油生産世界3位、天然ガス生産世界2位、
小麦輸出量世界1位の大国です。
英雄プーチンに率いられて24年。
国民はどれほど豊かに暮らしているのでしょうか?
ロシアの一人当たりGDPは2023年度、世界66位、13738ドル(約165万円)。
平均月収は、ざっくり14万円といったところでしょう。
政治家や官僚が誠実で、汚職が少なく、まともな経済政策をしている国は、
資源がなくても国民は豊かに暮らせます。
しかし、政治家や官僚が不誠実で、汚職が蔓延している国は、
世界有数の資源大国でも、国民は貧しいままなのです。
というわけで、裏金問題をスルーしたら、
日本国は汚職が蔓延する国になってしまいます。
待っているのは、「暗黒の40年」「暗黒の50年」。
というわけで、今回「裏金問題」のある人が落選したのは、「仕方ない」でしょう。
これは、日本国に「自浄作用がある」ということで、希望なのです。
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