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     【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.129


                      2023/4/14


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★電子召集令状!ロシア社会は地獄へ向かう



全世界の裏RPE読者の皆さま、こんにちは!

北野です。



ロシアでは昨年9月、「部分動員令」が出されました。

これは、何でしょうか?

一般人(主に男性と医療関係の女性)が戦場に送られると
いうことです。

(@より正確にいうと、ロシアには1年間の徴兵義務があります。
ほとんどの男性は、ある程度訓練を受けた経験があり、
「完全な素人」とはいえません。)


部分動員令が出されると、ロシア人の男性は、
大挙して国外に脱出しました。

主な脱出先は、北はフィンランド、南はカザフスタンなど
中央アジア、西南はグルジア、アルメニアなど。

外国に逃げた人は、
「お金のある人」「IT関係者」「その家族」が多かったようです。


さて、残った人はどうなったのか?

30万人が動員されたといわれています。

しかし、野党系ユーチューバーの番組を見ている人たちは、
「逃げ道」があることを知っていました。

なんでしょうか?

今までのロシアの法律には、


「召集令状は、召集される人に
直接【手渡し】されなければならない」

「召集する組織(軍)は、
収集される人に【署名】してもらわなければならない」


というのがありました。

要するに、「外国に逃げなくても
召集令状を渡されない場所にいればいい」

という知識が広まった。

それで、郊外の別荘(ダーチャ)などに潜伏する人が
大量に発生したのです。


そうこうしている間に、戦局はロシア劣勢になっていきました。

プーチンは、ゲラシモフ参謀総長兼ウクライナ総司令官に


「3月中にドネツク州、ルガンスク州を完全制圧しろ!」


と命令した。

しかし、ゲラシモフは、ミッションを完遂できなかった。

3月末になると、ウクライナに、
イギリス製、ドイツ製戦車が続々と届くようになってきました。

ポーランドやスロバキアは、戦闘機を供与します。

そしてウクライナは今、
大規模な反転攻勢の準備をしているのです。


ロシアは、どうするのでしょうか?

そう、動員です。

ですが、今までの法律だと十分な数の人を集めることが難しい。

そこで、法律を変えることにした。

時事4月13日。


<ロシアのプーチン政権は、ウクライナ侵攻の一層の
長期化を見据え、徴兵忌避の対策強化に乗り出した。

法改正により、これまで紙だけだった招集令状に
「電子令状」を導入。

対象者は通知当日から出国禁止となる仕組みだ。>


<従来の紙の招集令状は、本人に手渡さなければ
原則無効で、部分動員令の抜け道となった。

今回、ロシアで広く普及する公共サービスサイトの個人
ページに電子令状が届いた時点で「受領」と解釈される。

徴兵事務所に出向かない場合、
運転免許停止をはじめとする罰則が用意されている。

通知に気付かなかったと抗議しても「自己責任」
(下院議員)と却下されることになる。>
ーー


つまり、これまでと違い、


「召集される人に召集令状を直接渡す必要はない」

「召集される人の署名も必要ない」

「召集令状をメールで送った時点でプロセスは完了とみなされる」


ということです。

それでも徴兵に応じない人は、

「運転免許停止」

になると、この記事にはあります。

その他、召集された時点で、外国に出れなくなります。


要するに、「誰も召集から逃げられなくなった」と考えられている。


この件について、予測が当たることで知られるモスクワ国
際関係大学元教授のソロヴェイさんは、以下のようなこと
を言っています。


今後大切なのは、


1、自分と身近な人の命と健康を守ること

2、自分の財産を守ること


である。

ところが、両方を守ることは難しいそうです。

どういうことでしょうか?

今回の新法を知り、徴兵事務所に行けば、
もちろん戦場に送られます。

そして、ロシア軍は「人海戦術」なので、
徴兵されたらかなりの確率で死ぬ。


では、電子召集令状を無視して
徴兵事務所に行かなければどうなるのでしょうか?

ソロヴェイ教授は、
「徴兵逃れで大量の人が有罪になる可能性は低い」
といっています。

要するに、ソロヴェイ教授は、
法律が新しくなっても徴兵逃れをするように勧めているのです。


そして、教授はいいます。

「電子召集令状が送られた時点で、
あなたの銀行口座とキャッシュカードは凍結される」と。


それを見越して、


・口座から現金を引き出しておく





・身近な人の口座に送金しておく



ことを、勧めています。


ここまでをまとめておきましょう。


・昨年9月の「部分動員」では、徴兵逃れが続出した

・「召集令状を手渡しし、召集される人の署名を
得なければならない」という法律があったのが原因

・そこでロシア政府は、「電子召集令状」を作ることにした

・電子召集令状は、メールを送信した時点で、
プロセス完了とみなされる

・それで、「徴兵逃れは無理」と判断し、徴兵事務所に
行く人は、戦場に送られ、かなりの確率で死ぬだろう

・ソロヴェイ教授は、新法になっても徴兵逃れをして
命を守ることを勧めている

・新法の下で徴兵逃れをしても、逮捕されて有罪になる
可能性は高くないと見ている

・だが、電子召集令状が送られた時点で、銀行口座は凍結
され、運転免許書は無効になり、外国には出れなくなる

・そこで教授は、銀行口座にある現金を引き出すか、
身近な人に送金することを勧めている


ということです。

・国のいうことを聞き、戦場に行って死ぬか?


・国のいうことを無視し、銀行口座から現金を全部ひきだし、

銀行口座、キャッシュカード、運転免許、自動車等
なしで、戦争が終わるまで潜伏するか?


ロシア人は、こんな選択を迫られているのです。

今回のネタ元は、こちら。

https://www.youtube.com/watch?v=meKuiG2tyy0



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○メールマガジン「【裏】ロシア政治経済ジャーナル」


発行者 北野 幸伯


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