◆ロシア大統領の思考を知る
「日経ビジネス」 2014年2月3日号
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●日本自立のためのプーチン最強講義
〜 もし、あの絶対リーダーが日本の首相になったら
(詳細は→
http://tinyurl.com/nkam4c9
)
の書評が掲載されました。
ここに転載させていただきます。
(オリジナルの記事はこちら →
jpeg
pdf
)
●ロシア大統領の思考を知る
ソチ五輪開幕が迫ってきた。
ロシアにとっては西側諸国のボイコットが相次いだ1980年のモスクワ
以来で、初の冬季大会。
国の威信がかかる。
遅れが指摘されていた準備は急ピッチで進んだ模様だが、昨年末、
連続爆破テロが起きるなど治安には依然不安が残る。
プーチン大統領がいかに剛腕を振るうかに注目が集まる。
そのプーチン大統領の思考論理に触れられるユニークな本を紹介し
よう。
ロシア在住の国際関係アナリストによる「プーチン最強講義」だ。
ロシア政界を追放され、日本に亡命したプーチンが、首相らのご意見
番になるという奇抜な仮想ストーリーの中で、プーチン大統領が過去
に実施した施策の背景を解説する。
国際舞台で戦わざるを得ない場合、「孤立は敗北」と心得て各国の脅
威度を測りながら仲間を増やせ、
国の自立のためには食糧やエネルギーの自給率を高める政策を取
り入れよ
― 書中のプーチンはこう助言する。
実際のプーチン大統領も米国への対抗から、極東で領土問題を抱え
る中国と手を組み、中央アジア諸国とともに上海協力機構を形成。
2012年に実現した世界貿易機関(WTO)加盟では長年に及ぶ交渉の
末、農業分野に年間90億ドルまで支援できる条件を勝ち取り、
新興財閥の石油王が米エクソンモービルに会社を譲渡しようとした時
には、米国による石油支配を避けるため、“政敵”とされた石油王を
逮捕、投獄までした。
元KGB(旧ソ連国家保安委員会)という肩書も相まって、独裁者、強
権という批判がつきまとうプーチン大統領だが、ソ連崩壊後のロシア
を再び国際社会に押し上げたのは事実。
本書からは、「一国のリーダーとして何を重んじてきたか」というプー
チン大統領の本質が浮かび上がり興味深い。
領土問題、靖国神社参拝問題などで中国、韓国との関係は冷え込む
ばかり。
TPP(環太平洋経済連携協定)交渉ではコメ、砂糖など“聖域”を守り
たい日本に対し、米国は関税撤廃を迫る。
難題を抱える日本。
「プーチンならどう判断し、行動するか」を想像し、現実と比較するの
も面白いだろう。
ロシアが様々な懸念を払拭し、五輪という夢舞台を成功させれば、本
書の“講義”もさらに説得力を増すというもの。
浅田真央や高梨沙羅らの活躍のほかにも見どころを増やす1冊だ。
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